影無茶のスポーツ24/7

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平昌オリンピック雑感 その2 スマイルジャパン、ジャンプノーマルヒル、フィギュア団体などなど

極寒が心配された開会式は思ったほど気温が下がらず(と言ってもマイナス4℃)めでたしめでたしでしたが、2日目になると早速負の影響が出てきました。

それは強風。

男子滑降が延期になっただけでなく、男子ジャンプノーマルヒルにも多大な影響を与えることになりました。

ジャンプは元々風の影響により運不運が出てしまいます。

見てもわかるようにジャンプは飛んでいるのではなく落ちていくのです。

如何に遠くに飛ぶかではなく、如何に遠くで落ちる(着地する)かという競技です。

もう着地する~って思っても、適度な向かい風が吹いていると最後の瞬間ふわ~っとスキーが浮いた感じで距離が伸びていきます。

もちろん向かい風と言っても限度があり、あまりに強い風だとスキー板共々身体が浮き上がってしまい大変危険です。

昨日は強風で何度も中断があり、全ての選手が飛び終えた時には日付が変わってしまいました。

気温も極限まで低くなり、葛西選手が話していたように競技出来るコンディションではなかったようですね。

風を味方につけるか、嫌われるかで結果は大きく違ってくるので、ジャンプ競技はある意味とても理不尽な競技です。

高梨選手に神風が吹くことを祈っています。

 

アイスホッケー、スマイルジャパン。

ソチでは5戦全敗の最下位。

あれから4年、当時のメンバーが多数残ったスマイルジャパンは逞しくなってオリンピックに帰ってきました。

日本はランキング下位4か国で形成するグループB。

上位2か国に入って決勝トーナメントに是非とも進みたい。

私はアイスホッケーが大好きで、まだ日本リーグが存在していたころ、応援していた王子製紙の試合を見に幾度も東京まで行きました。

激しい攻防は時に乱闘にも発展することもあり、氷上の格闘技とも呼ばれる所以です。

スピードあふれる展開と組織的にパスを回してシュートまで持っていく流れは見る者を引きつけて離しません。

スマイルジャパンの初戦はスウェーデン

試合開始早々に先制点を許してしまいましたが、あの角度からキーパーの肩越しにあの場所にシュートを打たれたら防ぎようがありません。

結果は1-2と惜敗でしたが、惜しかった!

間違いなくソチよりは強くなっています。

断言します。

残る2試合、スイスと統一コリアに勝つでしょう。

決勝トーナメントに進めるかはスウェーデンとスイスの結果が読めないので断言できませんが、スマイルジャパンオリンピック初勝利は時間の問題です。

4年間の努力が実り、本当の意味でのスマイルジャパンを見たいです。

 

フィギュア団体。

団体戦はいらないいらないと書いて来ましたが、考えてみれば普通ならオリンピックに出られない選手も、団体戦があることで門戸が広がったことを考えると、意義もあるなあって見ていて思いました。

イスラエルの女子シングルSPの選手は団体枠で出場の選手。

パーソナルベストを出してキスアンドクライでの喜ぶ姿を見てそう思いました。

日本のペア、アイスダンス団体戦が無ければ、強化が後回しになってオリンピックに出場出来る可能性は極めて低かったと思います。

それが団体戦出場を目指して強化を図ったことで参加することが出来ている。

 

こうしましょう。

北京大会からは、最初に個人戦をやりましょう。

個人戦が終わって気分よく団体戦に挑める選手、逆に個人戦で失敗してしまって団体戦で捲土重来を期する選手。

より団結力が増して更に良い雰囲気の中で演技出来るのではないでしょうか。

SPの宮原選手回転不足を取られてしまいましたね。

 テクニカルコントローラーのジャッジ、ちょっと厳しかったですね。

採点競技の難しさというか、ジャッジによって基準の甘辛が確実にあって、それによって調子を崩してしまうことがあれば選手がかわいそうです。

かつて全日本で必要以上に回転不足の判定をくだしまくったテクニカルコントローラーがいて、村上佳菜子選手はそれにより調子を崩していったと私は今でも思っています。

リザルトを見ると、大会を通じて女子シングルは同じクルーが務めているので心配です。

何とか気持ちを切り替えて、回転不足を取られないようにすればSPだけで6点ほどプラスされてコストナーと十分争える得点は取れるので、気分を切り替えて個人戦に臨んで欲しいです。

メドベージェワ、仕上げてきましたね~。

ただし、団体戦ですが・・・(まだ言うか)

 

 

 

 

平昌オリンピック雑感 フィギュア団体とか いろいろ

始まりました平昌オリンピック

開催が危ぶまれる声も聞こえてきましたが、結局あっという間に始まった印象です。

個人的に、まだオリンピックを楽しもうという体制が出来ていません。

とは言っても時差がなくリアルタイムで競技を見ることが出来るので、すぐに観戦モードに切り替わるんでしょうね。

最終聖火ランナーは大方の予想通りキム・ヨナさんでした。

思えば長野の時も伊藤みどりさん。

ちょっとした巡り合わせを感じます。

さてそのフィギュアスケート団体戦が始まりました。

皆こけましたねえ~。

チェンもチャンもコリヤダもひどい出来でした。

そんな中、宇野選手が他の選手を圧倒する103.25点で団体3位につける原動力になりました。

しかし、いくら得点差をつけても、団体戦は順位ポイント制なので2位との差は1点になってしまいます。

宇野選手と2位のイスラエルのビチェンコとは15点近く差があります。

それでも1点しか差がつかない訳です。

実際に獲得した得点を累積する方が良いと思うのは私だけでしょうか。

 

出来がひどかったチェンやチャンなどメダル候補者は個人戦で立て直してこれるのか、宇野がこの調子を維持して個人戦に入ることが出来るのか。

フィギュアスケートはシーズン通して選手自身が満足な演技が出来るのは1回、よくて2回。

それをどこで演じられるように調整していくかにかかっています。

当然選手たちはオリンピックでメダルを、それも一番良い色のメダルを取りたいと思っているわけです。

ところが個人戦の前に団体戦があることで、それに出場する選手、しない選手、出場して良い演技をした選手、出来なかった選手。

各ケースにおいて、それが個人戦にどう影響するのかは正直よくわかりません。

ここで大失敗したチェンは個人戦では完璧に滑ってくるかもしれない。

もしかしたら失敗を引きずり、個人戦でも上手くいかないかもしれない。

前回ソチの結果を見る限り、団体戦個人戦に負の影響を与えているとしか思えまえんが・・・。

ソチでの個人戦金、銀の羽生とチャン。

二人ともフリーの出来はお世辞にも良いとは言えない内容でした。

女子も団体戦不出場のソトニコワが金でキムヨナが銀だったわけですから。

選手にとって本当に欲しいのは団体のメダルではなく個人戦のメダルであることは間違いありません。

どうしても団体戦をやりたいなら、先に個人戦をやるべきです。

 

オリンピックの良いところは冬季も夏季も普段あまり見ることが出来ない競技を存分に見られること。

予選が行われたスノーボードスロープスタイルなどはトピック的には見ることがあっても、しっかり見られるのはオリンピックだからこそです。

そういう競技の中にも頑張っている日本選手がいますし、世界のスーパースターの技術も見ることが出来たりと楽しめる訳です。

ソチで活躍した日本選手が再びこの大舞台に登場しているのを見ると、勝手に親しみを感じてしまいまい、より応援したくなってきます。

逆に初出場のスキーモーグル男子の原、村田などは驚きを持って見ることになります。

思い出すのはかつてアルベールビルオリンピックでのノルディック複合団体金メダル。

テレビでクロスカントリーをライブで放映しており、ジャンプでつけた2位との差を3人がリレーで守り切って優勝した時は興奮しました。

あくまで私が知らなかっただけなのですが、当時ノルディック複合で日本勢がそんなに強いとは思っていませんでした。

テレビをつけた時、首位でスタートする状態を見た驚きから始まって、イメージとしてクロスカントリーは弱いと思っていたので、ハラハラドキドキしてみていたことを思い出します。

今回もそういったニューヒーローの誕生を期待しつつ、候補と呼ばれる選手が実力を出し切ってメダルを獲得する姿も見たい、これから2週間、そいうった感動の物語を数多く見たいですね。

 

 

 

 

 

MGCシリーズ別大マラソンで園田隼選手MGC出場資格を得る

先週の大阪国際女子マラソンに続き今週は男子MGCシリーズ別大マラソンが行われました。

実は個人的に先週の大阪と今週の別大は大好きなマラソンコース(あくまで見る方としてですが)で毎年楽しみにしています。

大阪は大阪城中之島、さらには御堂筋、玉造、今里、あびこの各筋など大阪らしいところを多く走りますし、別大は何と言っても別府湾を望むコースが風光明媚で、競技と同時にディスカバージャパンを味わえるところがお気に入りです。(選手はそれどころではないですけどね)

大阪は以前、大阪城内をもっと長く走るコースでしたが、記録が出やすいように外周を走るだけになったのは見る方にとってはちょっと残念です。

それでも当初なかった御堂筋を走る距離が長くなったので依然魅力あるコースです。

別大も幾度かのコース変更で記録の出やすいようになりましたね。

前置きが長くなりましたが、別大マラソンでまたも日本選手のニューヒーローが生まれました。

一人目は日本人1位の園田隼選手。

最後モクゴブ選手にトラック勝負に持ち込まれ2位でフィニッシュとなりましたが、2時間9分34秒でMGCの出場資格を得ました。

これは自己記録を1分6秒縮めるもので、終盤モクゴブを前に行かせて盾にすることも出来たはずですが、それをせずに、抜かされても果敢に前に出てリードするという内容のあるレースでした。

二人目は日本人2位の地元大分の大塚祥平。

タイム的には2時間10分12秒とMGC出場資格に僅か12秒及びませんでした。

彼は箱根駅伝で活躍した選手。

中継車の青山学院原監督も箱根で活躍した選手がマラソンでも力を出してくれるのは嬉しい限りだったでしょう。

彼の走りもまた園田と共に次を見たくなるような走りでした。

今回はMGC参加基準に届きませんでしたが、必ずや次に走る時はワイルドカードまで含めて参加基準を満たしてくれるでしょう。

 

 

次のMGCシリーズは2月25日東京マラソン

ここには設楽悠太選手がエントリーしています。

昨年東京での初マラソンのレースぶりは記憶に新しく、ハイペースに果敢についていき、世界を相手に勝つには、こうあるべきという走りを見せてくれました。

今年はMGC出場資格はもちろんのこと、条件さえ恵まれれば、高速コースで日本記録誕生の可能性もあります。

他にも井上大仁選手、山本浩之などがエントリー済みで、昨年の東京マラソン日本上位選手が再び激突ということで、各選手それぞれの思いがあるはずで火花が散る争いがみられそうです。

もしかすると、当日の天候次第では一気に5~6人のMGC参加資格者が生まれるかもしれません。

果たしてどんなレースを各選手見せてくれるのか、今からワクワクドキドキです。

比嘉大吾15連続KO日本タイ記録で2度目の防衛

プロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ。

チャンピオン比嘉大吾がメキシコのモイセス・フェンテスを迎えて2度目の防錆戦。

なんと沖縄では、あの具志堅用高がペドロ・フローレスに敗れて以来37年ぶりとなる世界戦。

さらに過去3度の沖縄での世界戦は全て日本選手完敗という結果。

結果はご存知のように1R比嘉の強打がさく裂してデビュー以来15連続ノックアウト勝利の偉業と共に防衛を果たしました。

フェンテスも過去ミニマムとライトフライで2階級制覇を達成している選手で、今回ランキングは9位ですが油断ならない相手だったことは間違いありません。

実際、フェンテスはチャレンジャーらしく攻撃的で、比嘉は試合後のインタビューで倒れるようなパンチではなかったと語りましたが、試合開始直後に右フックをもらってしまいました。

左右のボディも強力で、最近日本選手が相手に強烈なボディを見舞うシーンを多く見ていますが、フェンテスのそれもなかなかのパンチで、あれをもらい続けるとけっこうダメージが蓄積されるものでした。

しかし比嘉は10キロの減量の影響を微塵も感じさせない動きと、左右から繰り出す多彩で早く、しかも重いパンチで相手に主導権を渡しません。

試合は1R半ばに早くもヤマ場が訪れ、比嘉の左右のパンチが面白いように相手のボディ、テンプルを捉えます。

フェンテスはそれでも接近してきますが比嘉にとっては思うつぼです。

ボディを見舞うと明らかに効いた状態となり、苦し紛れに前に出てくるフェンテスに対し、再び左右のボディーを見舞うとたまらずダウン。

強烈なボディーを打たれるとワンテンポ遅れて、ダウンしてしまうんですよね。

戦う意識を持っていても、身体が動くのを拒否してしまいます。

結局そのままレフェリーはテンカウントを数え2度目の防衛を15連続KOの日本タイ記録で飾りました。

試合後フェンテスはまだ戦えたとクレームを言っていたようですが、何を言っても何とかの遠吠えでしかありません。

ボディをはじめとする比嘉のパンチでかなりダメージを負っており、試合が続いていたとしても結果は変わらなかったでしょう。

さらにダメージが大きくなるだけだったと思います。

比嘉は左でジャブを見舞いながら右でストレート、フックなど繰り出すのが基本ですが、左でも試合を決められるパンチを持っており、スピードもあって重く、現時点ですでにA級のチャンピオンと言って差し支えないでしょう。

15連続ノックアウトも弱い相手ばかりで作った記録ではなく、中身が濃い意味のある内容です。

井上、村田、山中などに比べ注目度は低いですが、ちょっと現段階で負ける要素はないと思われもっと注目されるべき選手です。

具志堅会長は次の試合について指名試合によりモハマド・ワシームとの対戦が有力と話したようですが、最終的にどうなるかはこれからでしょう。

ちなみにワシームはパキスタンの30歳で8戦8勝(6KO)の戦績です。

早いうちに比嘉本人が望む統一戦が出来ればと願いますが、こればかりは相手があるので実現は簡単ではありません。

10キロの減量は過酷ですが、その影響を感じさせないスピードとパワーを試合で見せているので、出来ればフライ級でなんとか統一戦が出来れば良いのですが・・・。

いずれにしてもまだ22歳。

前途は洋々です。

 

比嘉大吾       15戦15勝(15KO)

モイセス・フェンテス 31戦25勝(14KO)5敗1分

 

 

フィギュアスケート団体戦はやめて欲しい

 題名を見ただけで反対と思う方も多いと思います。

団体戦で日本のメダル可能性が低いから言ってる訳ではありません。

本来個人競技の(ペアも含め)フィギュアスケート

選手にとって団体のメダルは最大の目標には成りえません。

個人戦でメダルをとることが最大の目標です。

団体戦のなかった時代、選手達は個人戦に向けて調整すれば良かった訳です。

しかし団体戦が出来て調整は大変難しくなりました。

僅か10日ほどの間に団体戦個人戦に出る選手はたまったものではありません。

 国の名誉のため選手たちはベストを尽くしますが、この短期間に最高の滑りを2度出来るような競技ではありません。

実際、ソチでプルシェンコ個人戦を棄権しました。

リプニツカヤ団体戦SPとフリーで1位になりましたが個人戦は表彰台に登れませんでした。

 羽生もパトリック・チェンも個人戦フリーは満足な滑りではなかったです。

SPの段階でガス欠になっていたとしても不思議ではありません。

しかも団体戦は10か国のみ出場でフリーには上位5か国進出。

選手個々のコンディショニングに差が出すぎます。

条件が平等ではありません。

ペア、アイスダンスより身体の負担が大きいシングルではこの傾向は顕著です。

羽生が調整の場として団体戦出場の可能性が報道されていましたが、調整で団体戦というのも考えれば変な話です。

私は羽生が平昌で3本滑ることは難しいと思っていたので、個人戦に絞るのは賢明な選択でしょう。

大変難しい状況ですが結果は神のみぞ知る。

羽生自信が満足な滑りが出来たと思えたらそれで良しと考えています。

話を団体戦に戻すと、もし羽生が調整という名のもとに団体戦に出場していたら、他の選手に対して失礼ではないか・・・という声が少なからずあがったのではないでしょうか。

実際に調整と言ってもクワドジャンプの難度を落として、総合力で高得点をとる演技をしたはずです。

調整と言われるのは羽生も本意ではなかったでしょう。

こうして考えると団体戦って本当に必要なのでしょうか。

昔、大橋巨泉の番組でこんなモノいらないという番組がありましたが、私に言わせればフィギュアスケート団体戦、こんなモノいらない・・・です。

団体戦は魔物です。

北京大会では個人戦だけに戻してほしい。

そう願っています。