フィギュアスケート世界選手権女子シングルで坂本花織選手が偉業を成し遂げた。
世界選手権3連覇。
長い歴史の中で女子としては56年ぶりの偉業だ。
GPファイナルでも全日本でも書いたが坂本選手は今の女子選手でずば抜けている。
思えば初めて坂本選手を見たのは6年前。
その年急成長を遂げて平昌五輪の代表にまで駆け上がったシンデレラガールだったが、
まだまだ元気が取り得のボンバーガールだった。
それがどうだ。
北京五輪あたりから大人の女性を意識する演技構成を目指すようになっていたが、フリーの振付をマリー・フランス・デュブレイユが担当するようになって一段とそれが明確になったように思う。
特に今年はしなやかさが増し、美しさも兼ね備え、スピードも豊か。
坂本史上最高のプログラムだ。
3Aを跳ばないとかロシア勢がいないとか外野の声も聞こえるが、3Aに関してはチャレンジすれば問題なく跳べるだろう。
ロシアと言えば4回転。
ティーン達が次々と4回転を回って点数を稼ぐフィギュアスケートについて(ルール上)否定はしない。
しかし最後までスピードが衰えず、次々と加点の貰えるジャンプと美しいスピン、ステップの融合した本来フィギュアスケートが持つ総合的な美しさを見せる今の坂本には及ばない。
唯一の弱点と言えばルッツ。
過去に幾度もエッジ違反を取られており大抵は基礎点はもらえる!で済んでいたが今回はGPエスポー大会と同じ、明らかなエッジ違反e判定をくらってしまった。
まあ上手く跳べる時も当然あって、全然ダメという訳ではないので今回は素直に偉業を称えたい。
最初に書いたが坂本選手と他の選手の間には大きな開きがある。
技術点もそうだが演技構成点もひとり抜けている。
ミラノ・コルティナ五輪まであと2シーズン。
今の所坂本選手は競技フィギュアを離れることに触れてはおらず、おそらく2026年の五輪シーズンまでは現役を続ける意向と思われる。
では坂本選手を追いかける選手は誰なのか。
ここは紀平選手の復活を望みたい。
すい星のように現れてあっという間に世界のトップに立とうかという位置まで駆け上がった紀平選手。
その他今回世界選手権出場の千葉、吉田選手を始め日本勢にはまだまだ逸材が多い。
暫くは日本勢の天下が続くのではないだろうか。
彼女たちを引っ張る坂本選手。
今シーズンは国別対抗が開催されない年なので世界選手権が終わってシーズンオフ。
来シーズンはどのような演技をみせてくれるのだろうか。