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【バルセロナ世界水泳雑感①】良い年齢の重ね方をしている北島康介

世界水泳も競泳が始まり早くも萩野がメダルを獲得するなど最強チームとしてその力を発揮している。

その中でやはり存在感を示し他の選手から一目おかれているのが北島康介選手だ。

皆さんご存知のように北島選手はアテネ、北京と連続で100、200平泳ぎで金メダルを取るなど圧倒的な実績だ。

チョ~気持ちいい~!と叫んだのが21歳、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの若武者の時だ。

燃え尽き症候群と思われる状態に陥りながらも、子供に水泳を教えたり、自身で水泳との関わりを絶やさず再びモチベーションを高めて北京でも2種目で金という大偉業を成し遂げる。

普通ならばこれでいよいよ燃え尽きてしまって第一線から引退するか、競技を続けても急激に力が衰えて、完全に世代交代の波にのまれてしまう・・・というのが一般的なストーリーだ。

ところが北島選手は全く違う歩みを続ける。

ロンドン五輪でも堂々と選考会を勝ちぬき代表の座を勝ち取る。

しかしロンドン本番では個人種目ではメダルに手が届かなかった。

これが有名なフレーズを生みだす事になる。

松田選手の、「康介さんを手ぶらで返す訳にはいかない」だ。

アトランタで史上最強と言われながらメダル0に終わりチームとしてまとまりがなかったと言われて16年。

ロンドン五輪で日本水泳チームは個人種目でありながらチームとして戦う強さを世間に広く知らしめた。

その最大の功績はやはり北島康介選手であろう。

自身の競技が終わった次の日も朝から他の選手の応援に駆け付ける。

チームの大黒柱がそういう行動を取れば他の選手も追随するに決まってる。

最初は義務的にそういった行動をした選手もいるかも知れない。

だがそれが好成績を生む事になり、仲間意識が高まり、チームのメンバーとして行動するようになる。

おそらく今は誰も義務的に他の選手の応援に駆け付けたりする者はいないだろう。

今回のバルセロナ世界水泳も北島選手は堂々と代表として名を連ね、当初リレーのみの出場と言われていたが、急激に調子を上げてきて見事に個人種目にもエントリーするまでに至った。

結果は100m6位に終わるが、北島選手から悲壮感は全く感じられない。

それどころか悔しがる中にも満足感も漂わせて、早くも次に目標を切り替える姿を見て、ほんとに北島選手は良い年齢の重ね方をしてきたんだなと感じた。

最強の布陣で臨む日本水泳陣。

その中心にはやっぱり北島康介選手が似合っている。