美しい柔道。
1本にこだわる柔道。
ジュードーから柔道への回帰。
初日から3日連続の金メダルは何と1973年ローザンヌ大会以来との事。
今朝の大野の内またの切れ味の鋭かった事。
内またと言えば新監督の井上康生のおはこだったが、井上の内またがナタの切れ味なら、大野のそれはカミソリだ。
実際内またというのは見栄えがするので、決まった時の美しさは背負い投げと双璧をなすだろう。
しかし、実際にこの技をかけるとなるとなかなか難しい。
奥襟を取らないといけない訳だが、簡単に取らせてくれる訳もなく、よしんば奥襟が取れても、腰を引かれると技をかけるどころではない。
シドニーであれほど圧倒的に強かった井上康生がアテネ以降思うように勝てなかったのも、
デス・・・いや、内またを研究されつくしたからである。
そういう意味から大野の試練はこれからである。
今回どちらかと言うと中矢に注目が行ってたのは間違いなく、ある意味影の存在でありえた事は戦う上で有利だったろう。
しかしだからと言って大野選手の偉業は文句など付けようもなく、誠に見事な、まさに三四郎を思わせる綺麗な美しい柔道であった。
初日の高藤20歳、海老名23歳、そして大野21歳。
敗れた中矢でさえ24歳。
新生日本柔道を担う選手たちのこの若さは何とも魅力的だ。
この勢いを日本柔道完全復活に繋げて欲しい。