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ソチ五輪雑感21:女子フィギュア:採点競技を見る事の難しさ

フィギュア女子フリースケティングが終わった。

浅田選手の感動的な滑りを別記事にしたのは、以下に書かせて頂くネガティブな内容の記事とは別にしたかったからだ。

最初に記させて頂くが、選手には何の責任もない。

全員がベストの演技を目指して努力を重ね、その結晶をオリンピックという大舞台で披露しているのだ。

失敗する選手、成功する選手に関係なくその思いは伝わってくる。

しかし、どうしても、見た印象と実際に出てくる点数とが乖離してしまう事がある。

私の見方が単に稚拙なだけかもしれない。

いやきっとそうである・・・と逆に思いたい。

実際にはこんな事はありえないが、今大会全員が同じエレメンツで、全員がミスなく滑り終えたとして演技構成点がどのように出てくるかを考えた時、

初めからキムヨナ、リプニツカヤソトニコワの3人が表彰台に決まっているだろうと思ってしまうのだ。

次位に浅田真央コストナーの二人が続く。

他の選手ではどう逆立ちしても表彰台は無理だったと書けば身も蓋もない・・・か。

今大会は特にロシアの二人が地元の利という事で、さらに点数の上乗せが見込まれた。

こういった中でミスは致命的だが、5人の内、浅田とリプニツカヤに大きなミスが出てしまった。

それ以外の3人にはSPもフリーもミスが無かった。

ソトニコワは3連続ジャンプの最後、ちょっと詰まったが、それくらいはなんのそのである。

男子にミスが目立ったのに比べ、女子の上位選手たちの精神力には驚かされる。

賞賛されていい。

しかしそれでも3人がトータル215点以上という点数はいくらなんでも気前が良すぎる。

ソトニコワの技術点が浅田のそれを上回るなんて、全く理解できない。

ズラッとならぶ1点台後半のGOEには違和感さえ覚えてしまう。

まあいい、ソトニコワに罪はない。

キムヨナは練習量が不足で競技のスタミナが戻っていなかった。

演技後の表情がそれを物語っていた。

しかしそこはさすが女王。

今やれる事をすべて出し切った。

結果としてソトニコワには及ばなかったが、その態度は潔く清々しかったと思う。

コストナーはSPもフリーも直前に変更するという大ばくちに出た。

今シーズン調子が出なかったとは言え、その決断には驚かされる。

その変更が功を奏し、オリンピックという大舞台でメダルを取る事が出来た。

それらは最初に書いたとおり選手たちの努力の成果であり賞賛されるべきだ。

どうも私の中では、競技として見るフィギュアスケートは限界にきている感じだ。

純粋にアイスショーを楽しむのが正しい見方なのかもしれない。

そんな事を思った今回のオリンピックのフィギュアであった。