WBC日本代表が1次ラウンド突破を事実上決めました。
キューバ戦は後半投手が打ち込まれましたが打線爆発。
今日のオーストラリア戦は中盤まで重苦しい展開でしたが投手が踏ん張って後半に勝ち越し。
一言で言えば投打の歯車が上手く噛み合っているって感じでしょうか。
先発の菅野はさすがのピッチングでした。
審判が左打者のインサイドをストライク取ってくれず組み立て的にとても難しい状況。
味方打線はオーストラリアの投手を打ちあぐねて、点が取れる感じではありませんでした。
追加点を与えれば苦しい展開の中ホームランの1点に抑え試合を作った粘りの投球は見事です。
しかし今日の試合、勝利を呼び込んだ場面は5回菅野が65球制限でランナー二人を残した後。
交代で出てきた岡田が暴投とフォアボールで満塁となった場面。
ストライクが入らずコントロールも定まらず大量失点にもつながりかねない状況。
ここでスタンドからひときわ高い「岡田ガンバレー」の声援。
それに続いて満員の観衆から期せずして起こった応援の大歓声と拍手。
もちろんペナントでも贔屓チームへの応援でスタンドは盛り上がりますが、それとはちょっと異なる同時発生的に起こった心からの応援。(もちろんペナントの応援が心からの応援ではないとは言ってません)
何と言うか、あまり経験のない感覚でした。
(あくまで雰囲気ですが)大相撲で大切な何かがかかった力士の取り組みで、時間一杯になった時に湧き上がる大歓声を思い出しました。
その大歓声の中、岡田は次打者をゲッツーに打取りオーストラリアに追加点を許しませんでした。
これが、今日の勝利を呼び込むターニングポイントになりましたね。
アップアップだった岡田を、そして侍ジャパンを救ったのは観衆のあの応援だったと思います。
その後を継いだ千賀が素晴らしい投球。
球に勢いはあるしフォークも切れるし、菅野の球にくらついていた豪州打線のバットがかすりもしません。
千賀の投球が完全に試合の流れを呼び寄せました。
7回中田に待望のホームラン。
8回には筒香技ありの見事なツーランホームラン。
リリーフ陣は千賀の後を宮西、牧田とつないでオーストラリアを完璧に抑えました。
今日の勝利はチームとしてとても盛り上がる勝ち方でした。
投げるべき人が投げ、打つべき人が打つ。
強化試合から見てきて個人的にはクローザーは千賀が良い気がしますが、牧田も今日は落ち着いた投球で三振も奪うなど首脳陣の期待に応えており、そこはベンチが決めれば我々がとやかく言う事ではないと思っています。
中国戦は残っていますが、イスラエルとオランダを迎える2次ラウンドに向けてチームの状態は上がってきました。
もちろん初戦のキューバに勝った事も大きいですが、私は今日の岡田ピンチの場面、大歓声で選手を後押しした観客と、それに応えてゲッツーで切り抜けたあの瞬間。
観客と選手が一体になった感覚。
これがチームに、より団結をもたらせた大きなターニングポイントだったと思います。