日本ボクシング史上初のオリンピアン世界チャンピオン誕生が期待された村田諒太。
結果はご存知の通り不可解といってもよいレベルの判定負け。
試合終了後いろんなサイトのいろんなコメントを見ましたがやはりいましたエンダムが勝っているという記述。
まあ実際3人のジャッジの内2人がエンダムを勝ちにしている訳ですからそういう見方をする人もいるでしょうが、私は納得できませんでした。
何を素人がという人もおられるでしょう。
素人なりに50年近くボクシングを見てきましたが、確かに過去にも(個人的には)不可解と思う判定も多く見てきましたが、今日の判定は5本の指に入る不可解さです。
エンダムは確かに村田より手数は多かったでしょう。
村田の右目は確かにパンチを打たれたダメージが見えました。
しかしほとんどのパンチはガードしていました。
逆に村田のパンチは的確に相手の顔面をヒットしていました。
印象という点でははるかに村田のパンチの方が優っていたと思います。
エンダムは5回以降ダウンこそしませんでしたがなんなんですか何度もロープを背に中腰になったり、変に転がったり・・・。
会場の雰囲気や中継の応援度を割り引いても村田がエンダムを上回っていたと思いましたけど。
7回あたりからでしたか、エンダムがフットワークを使いだしたのは。
モハメドアリばりのフットワークですか。
でもほとんどパンチを出さずグルグル回っているだけでした。
残念だったのは村田も相手を追い込んだ時にもう少しラッシュしておれば・・・という思いはあります。
それでも各ラウンドで効果的というか印象的なパンチは村田の方が多かったと思ったんですけどねえ。
ただエンダムの目は全く死んでいなかったので、村田としてもうかつには飛び込めなかったのかもしれません。
それと、最終ラウンド、私は完全に村田がリードしていると思っていたので、エンダムがそんなに攻めてこず、中盤からはまたフットワークを使いはじめたので???と思っていました。
これはエンダムサイドは勝っていると読んでいるのだと・・・。
そして試合終了後にエンダムのセコンドが勝利を確信したような表情をしたのがちょっと嫌な予感がしたのはしたんです。
その表情がはったりとか強がりのそれでなく確信的な表情だったように見えたんです。
けども、それはあくまで嫌な予感で実際負ける事はないだろうと思って判定結果を待ちました。
ところが最初のジャッジがエンダムの勝ち。
村田も驚きの表情。
場内もざわめいています。
2人目は村田。
3人目は・・・
村田にとって最大のチャンスでした。
強豪ひしめくミドル級。
その中で村田陣営としては最高のマッチメイクだったと思います。
しかし結果は無情。
ボクシングとはほんとうに奥が深い。
世界中には様々なタイプのボクサーがおり、ボクシングの見方にも様々な見方がある。
やはり誰もがスッキリするにはノックアウトしかないんでしょうね。
村田選手には今の段階で次のチャンスを目指せとは言えません。
千載一遇のチャンスをほぼ手中にしていたのに、目に見えない力により掌からチャンピオンベルトがスルっとこぼれ落ちてしまいました。
村田諒太 13戦12勝(9KO)1敗
アッサン・エンダム 38戦36勝(21KO)2敗