この2ヶ月間、多くの種目で世界選手権が行われました。
オリンピック翌年でもあり、世代交代も含め新たな目標に向かってのスタートとする選手も多かったと思います。
その中で日本選手は東京2020という明確な目標があり、他のどの国よりも高いモチベーションで各大会に臨んでいることと思います。
その中で今日は世界柔道について感想を書かせて頂きます。
現段階で新種目の男女混合団体戦を残していますが個人戦は終了。
今大会は大きなルール変更の元で開催される初めての世界柔道であることも注目でした。
大きな変更点は
○有効が廃止され技ありと一本のみになる。
○寝技は10秒で技あり、20秒で1本。
○技あり2本であわせ一本とならない。
○男子の試合時間が5分から4分に短縮。
○本戦では指導の差で勝敗は決しない。
かなりの変更ですね。
これがそのまま来年以降も適用されるかは不明ですが2020年に向けて、大きな変更はないでしょう。
本来の1本を取る柔道。
日本選手にとっては良いルールだと思います。
この変更では寝技を得意とする選手に大きなメリットが生まれますね。
試合の流れの中で寝技に持って行くチャンスは結構ありますから高藤選手の様に積極的に寝技に取り組む人も増えてきそうです。
それに何と言っても有効がなくなったのは実にすっきりします。
第一、効果と有効の差、有効と技ありの差がとてもわかりにくく、審判によっても判定に甘辛があったりして実に曖昧でした。
ちょこちょこっとしたタイミングで有効をもらって、それが勝敗を左右するのは選手にとって大変気の毒でもありました。
技あり以上が必要なこのルールでは積極的に攻めることが求められます。
我々には馴染みである三四郎の柔道が多く見られるようになり、それは日本柔道にとって王道だと思います。
男子は試合時間が4分に短縮されたので早く自分の優位な形に組めるよう前に出て、組んだらすぐに投げに出るなど相手に休む隙をあたえない積極的な柔道が求められます。
延長も多くなるでしょうから、スタミナでも優位に立ち、延長になればそれだけで相手にデメリットと思われるようなハードワークも必要です。
さて今大会、日本選手は男女各9名の選手が個人戦に出場。
男子が金4個、女子が金3、銀4、銅1、合計12個のメダルを獲得しました。
ロンドン五輪の失敗を教訓にし、確実に回復を果たしてきている日本柔道。
特に女子は出場した階級全てに決勝進出を果たしました。
男子も100キロ超級で2選手が早々に姿を消しましたが、復活の高藤や若い阿部、ウルフ、世界ランク1位の橋本などが中身の濃い柔道で金メダルを獲得しました。
東京2020に向けては課題も見つかり~の、強さをみせつけ~ので、実り多い大会だったと思います。