影無茶のスポーツ24/7

ルール知らなくても面白く読んでいただけることを目指します

フィギュアスケート Road To 平昌  宇野、ジェイソン・ブラウン、チェン、本田真凛

ISUチャレンジャーシリーズ・ロンバルディア杯、USインターナショナル。

平昌を目指す注目の選手が多く登場してきました。

今の時期、順位や得点よりも課題を見つけていかに修正していくのかが大切と先日も書きましたが、日本の各選手はそれぞれ有意義なシーズン初戦だったと思われます。

まずは宇野選手。

昨年もロンバルディアが初戦でしたが、今年は風格も身に付き大きく成長した姿を見せてくれました。

今回、初戦でいきなり歴代2位となる319.84という得点を見たときに、オリンピック本番で表彰台に登れる選手はプログラム構成を見るだけで数人に絞られてしまい、ジャンプでミスをしたら脱落という状況がより鮮明になったことを感じました。

ロンバルディアは得点が男女ともインフレ気味で、確かに宇野の演技はシーズン初戦としては申し分ありませんでしたが、試合後彼が語ったように、まだまだトータルパッケージとしては熟成出来ていません。

それだけにこれだけの高得点が出てしまうのはちょっと怖い感じがしました。

今の男子フィギュアはジャンプの得点が物を言う、羽生選手が昨シーズン発した「真4回転時代」ということを改めて強く感じる次第です。

そういった流れの中でジェイソン・ブラウン選手が見せた演技はつきなみな言葉ですが感動的でした。

彼はご存知の通り基本4回転を飛ばない選手です。

昨シーズン挑戦しましたし、今シーズンも当然挑んでくる可能性はあります。

しかし彼の場合4回転を跳ばずとも、観衆の心を捉えて離さない、これぞフィギュアスケートという何かがあります。

今回USインターナショナルでネイサン・チェンが4回転5本を跳ぶ予定で臨み(結果は2本)史上初の4回転ループを成功させましたが、トータルで見たときにどちらが記憶に残るかというと、個人的にはジェイソンの演技と言いたいです。

ソチ以降益々4回転ジャンプの比重が高くなり、ジェイソンのような選手にははっきり言って不遇な時代です。

この流れはバンクーバー直後の4回転論争以降鮮明になりました。

ですが、シーズン初戦でこれだけ心に残る演技を披露できるのですから、メダル争いとは別の次元で彼の完成形演技をぜひとも見せてほしいです。

こうして考えるとやはり羽生選手のジャンプとトータルとしての完成度の高さ、美しさは依然として頭一つリードしているのだと思います。

まだシーズン初戦を見ていないので断言は出来ませんが、調整に失敗しているとは到底思えず、逆にハンイエン選手との悪夢の激突以降、数々のアクシデントを乗り越えて今シーズンは最高の仕上がりで臨んでくると思われます。

そして本田選手。

マクラーレンと袂を分かち・・・ちゃうちゃう、それは別の記事やがな。

本田真凛選手。

彼女の武器は精神面の強さでしょう。

浅田選手引退後マスコミの注目を一身に浴び、浴びすぎるがためのバッシング的アンチな見方も増えつつある中でシニアデビューを失敗なく今の状態の中で出来ることをほぼやりつくせるのは大したものです。

前半の3F3Tも加点がもらえる綺麗なジャンプ。

シニアで30秒伸びたその苦しい時間の最後に3Loと2A2T2Tの3連続ジャンプ。

元々持っていたしなやかさにも磨きがかかり、スピンはレベル4。

言うことないんじゃないでしょうか。

これでマスコミの注目は益々高くなり、競技と関係ないところでの報道合戦が繰り広げられるのでしょうが、節度ある報道をお願いしたいですね。

またそういった報道が増えると、これがまた絶対に出てくる無意味なバッシングも控えてほしいです。

彼女にはそういったことを跳ね飛ばす強さがあるような気もしますけどね。

オリンピック本番までは長いようで短く、短いようで長いです。

ケガだけはしないようにしてほしいです。