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平昌オリンピック雑感 その7 祝!羽生結弦オリンピック連覇

羽生結弦はやっぱり羽生結弦でした。

66年ぶりの男子シングルオリンピック連覇。

彼はインタビューで、平昌で金メダルを取るために多くの物を捨ててきた・・・と語っていました。

おそらくどの選手よりも金メダルにかける思いが強かったのでしょう。

絶対的王者と言われながら、これでもかと彼を襲う数々のアクシデント。

2014年-2015年シーズン。

ソチオリンピックの次年度シーズンで、羽生がハン・イエンと衝突し重傷を負ったあのシーズン。

誰もがその後の出場は無理と思ったのに出場し続け、全日本で圧倒的な強さを見せた時に彼が語った「壁の先には壁しかない・・・」。

正にその通りに羽生の前に壁は形を変えて出現し続けました。

そして迎えたオリンピックシーズンで、よりによって最大にして最難関の壁が立ちはだ

かるとは。

右足首故障・・・。

あのシーンを見た瞬間、平昌のメダルはおろか出場さえも難しい・・・と思った人は多かったでしょう。

私もその一人。

スケーターにとって足の故障は最も怖い。

過去に足のケガが元で多くのスケーターがパフォーマンスを落としたり、引退に追い込まれたりしました。

まさかこの大切なシーズンでそんなことが起こるとは、神は羽生にどれだけ試練を与え

れば気が済むのかと思ってしまいました。

それが羽生の心により一層火を燃やすことになったのでしょう。

絶対王者が他の誰よりも金への執着を強く持った。

こうなれば他の選手は羽生に叶うはずがありません。

あとは、とにかく、足と体力、その両方が最後まで持ってくれるかどうかでしたが、ぎりぎり逃げ切ることが出来ました。

フリーの構成を見ると4回転は種類を絞って本数も4本。

怪我をしていなかったら4種類5本の構成もありえたでしょう。

しかし足の具合や体力と相談して確実に金を取るための構成にしてきました。

トリプルアクセルという絶対的な武器は健在で、ここからの連続ジャンプの高得点は確実に取れる。

元々高い得点が確実な演技構成点との合計で十分に勝負できる。

そういう作戦だったのでしょう。

ただ、それもミスがなく、最後まで滑り切ることは絶対の条件でした。

それをやってのけました。

冒頭のふたつの4回転ジャンプ。

何と二つともGOE3点!

このジャンプに羽生の気持ちが現れましたねえ。

しかしフリー最後の3回転ルッツを見る限り、もう限界だったと思います。

ステップでもレベルを落としています。

調子だけで言うとまだまだ万全ではないことがわかります。

絶対に金メダルを取ってやるという強い気持ちだけが羽生を動かしていたのでしょう。

 

昨日も書きましたが羽生からは炎が見えていました。

4年前のソチとは全く違う思いで金メダルを受け取ることが出来たでしょう。

真4回転時代の扉を開けた若手選手の追い上げからも逃げ切って、絶対王者の称号を守り抜きました。

本当におめでとうございます。

それと、よくぞここまで、SPとフリーの2本を滑り切るまでに足を回復させたドクター。

もちろん本人の努力もありますが、ドクターの治療が的確でなかったら、オリンピック出場も叶わなかったと思います。

このドクターにも賛辞を贈りたいです。

総合的な感想はいずれまた。