スティーブン・スピルバーグ監督作品「ペンタゴン・ペーパーズ」を見てきました。
(原題 The Post)
スピルバーグの力量に改めて脱帽です。
彼は制作に回ることも多いですが、やはり監督作品の方が圧倒的に見応えがあります。
これからもどんどん監督として作品を世に出してほしいです。
スピルバーグはSFを代表とするエンターテインメント色の強い作品も、大体において期待を裏切りませんが、彼独特の少しあざとい演出が鼻につくところもあったりします。
でも「ペンタゴン・ペーパーズ」のようなドキュメントタッチの映画では、くどい演出は見られず、「ミュンヘン」の時もそうでしたが、正攻法でグイグイとテンポよく訴えかけてきます。
これが実に見事で最後までスクリーンに目が釘付けです。
泥沼化したベトナム戦争についてのレポート最高機密文章ペンタゴン・ペーパーズ。
国民は現実を知らされておらず、その文章をニューヨークタイムズとワシントンポストが手に入れて真実を伝えようとしますが、それを阻止しようとする政府。
トム・ハンクスとメリル・ストリープが貫禄十分のさすがの演技。
人脈を活かし文章を手に入れようと奔走するワシントンポストの記者ベンを演ずるボブ・オデンカークがこれまた上手いんですよね。
やはり本当の取材は1対1が大事なんだということがわかります。
日本では政治権力とマス・メディアの対立の構図が正に世間を賑わせている現在、実にタイムリーな映画。
ジャスティス!