Wカップグループステージも2巡目に入りました。
今日は試合内容とは直接関係ない話です。
よく解説で「勝つこと」という言葉を使わず「勝ち点を取る」という表現を耳にすることがあるかと思います。
ちょっと今回はその勝ち点について書かせていただきます。
日本はH組初戦コロンビアに歴史的な勝利を挙げ勝ち点3を得ることが出来ました。
H組はセネガルがポーランドに勝って勝ち点3、敗れたコロンビアとポーランドが勝ち点0という状況です。
決勝トーナメントに進出するためには初戦では絶対に負けないこと。
特にグループ内で劣勢と言われているチームはたとえ引き分けによる1でも初戦で勝ち点を獲得することは必須条件です。
初戦で負けてもグループステージを突破出来る可能性があるのは、あくまでランキング上位国のみでしょう。
それでもドイツ、ペルー、コロンビア、ポーランドは今後苦しい戦いを強いられます。
日本は勝ち点3を得たことで、絶好のスタートを切れました。
グループリーグは4か国なので全部で6試合。
総勝ち点数は18です。
この18の勝ち点を如何に多く獲得するか。
グループステージはこれが肝です。
総数が18なので7点とれば無条件に決勝トーナメント進出となる訳です。
6点だと、もし引き分けがない場合、可能性として3チームが勝ち点6で並び、得失点差によってはグループリーグ敗退となる場合があります。
思い出すのはアトランタ五輪での日本代表。
あのマイアミの奇跡の時の、そうです西野ジャパンなんです。
ブラジルに勝って、ナイジェリアに負けて、ハンガリーに勝って2勝1敗の勝ち点6。
それなのに得失点差で及ばすグループリーグ敗退となってしまいました。
ちょっと嫌な歴史ですね。
シチュエーションが・・・。
しかし実際には3か国が勝ち点6で並ぶ可能性はほとんどありません。
Wカップグループステージで勝った時の勝ち点が2から3に変更された1998年フランス大会以降、前回のブラジル大会までの合計40グループステージで3か国が勝ち点6で並んだことはただの一度もありません。
大きな原因は引き分けの存在。
引き分けは共に勝ち点1が与えられます。
引き分け1試合ごとに総勝ち点は1減少します。
つまりグループステージの中で1試合引き分けがあると総勝ち点は17に、2試合引き分けがあると総勝ち点は16になるので、そうなってくるとグループステージ突破確実勝ち点のハードルも下がることになります。
1998年フランス大会以降5大会の40グループステージで最も勝ち点が少なく決勝トーナメントに進出できたのはフランス大会グループBのチリで何と勝ち点3。
この時は6試合中4試合が引き分けで総勝ち点は14まで下がっていました。
チリは3試合とも引き分けで勝ち点3でした。
1位進出は2勝1分のイタリアで勝ち点7。
イタリアに負けたオーストリアとカメルーンが勝ち点2で敗退となったのです。
後にも先にも勝ち点3で決勝トーナメントに進出出来たのはこの時のチリだけです。
勝ち点4で進出出来たのが一気に増えて15か国。
勝ち点5で進出出来たのも15か国。
グループ上位2か国が決勝トーナメントに進出となるので、該当する80か国の内5点以下だった割合は38.7%。
勝ち点5は1勝2分。
勝ち点4は1勝1敗1分。
特徴的なのは勝ち点4で決勝トーナメントに進出出来た15のケースの内9ケースはトップ通過の国が3戦3勝の勝ち点9だったこと。
そうなると負けた3か国で残る勝ち点9の取り合いとなり、且つ引き分けがある確率が高い事から、4で進出出来る条件の一つにトップ通過は3戦3勝があげられそうです。
以上の事からグループステージで勝ち点4は最低欲しい訳で、初戦負けた場合は残り2戦を最低1勝1分けで乗り切らないとだめなので心理的にも、戦術的にも厳しい状況に置かれるわけですね。
H組2巡目は初戦勝利の日本とセネガル、初戦敗退のコロンビアとポーランドが対戦します。
セネガルは強いです。
身体能力も高いし、初戦勝ったことで勢いがあります。
しかし日本も同様にムードは最高です。
必ずしもベストな戦いではありませんでしたが、そういった中で勝ち点3を獲得したことは大きいです。
組織で守り、素早い攻撃で正確なシュートを放てば必ずチャンスは生まれます。
セネガルを焦らすことが出来れば思う壺です。
まだまだ決勝トーナメント進出には大きな壁がありますが、乗り越えてくれることを信じて・・・。
24日も全力で応援しましょう。