影無茶のスポーツ24/7

ルール知らなくても面白く読んでいただけることを目指します

フィギュアスケート ジャンプ基礎点変更について私なりの解釈と思い

毎年のようにルール改正が行われるフィギュアスケート

今季もけっこう大きな改正が行われた。

ジャンプの基礎点が変更になったのだ。

ご存知の方も多いと思うが、トリプルとクワドジャンプ基礎点に変更が加えられた。

最大の特徴はルッツの得点が下がり、フリップと同等扱いになったこと。

今までアクセルを別格として、次に難しいジャンプはルッツとの認識だったのが、
実はフリップも同じくらい難しいんだよってことになったのだ。

実際にはルッツを苦手とするスケーターは多い。

エッジ違反も貰わず綺麗に跳べるスケーターはそう多くはない。

かつて浅田真央さんもどちらかというとルッツは苦手にしていた。

メドベージェワだって!マークをよく貰っていた。

紀平梨花のように全く苦にせず綺麗に跳べる選手は珍しいのではないか。

フリップもエッジ違反を貰う選手はいるが、確実にルッツの方が難易度が高いという見方だったはずだ。

ルッツの得点を下げてまでフリップと同等にしたのにはちょっと驚いた。

さらにクワドではループの基礎点をルッツ、フリップと同じ11点迄上げたのも驚き。

ところがトリプルではルッツの得点を下げてフリップと同等にしたのはクワドと同じだが、ループは点数維持でルッツ、フリップと同等にはならなかった。

 変更理由を述べている記事を読んだが、技術委員の主観で決められているようにも思えて何だかよくわからない。

以下に6種類のジャンプの基礎点を羅列するので確認していただきたい。

          トリプル       クワド

トゥーループ     4.2       9.5

サルコー       4.3       9.7

ループ        4.9    10.5➝11.0

フリップ       5.3      11.0

ルッツ      5.9➝5.3  11.5➝11.0

アクセル       8.0      12.5

(赤字が今季変更になった基礎点)

ルッツの基礎点はかつてトリプルが6.0、クワドで13.6だった。

それから比べるとトリプルで0.7、クワドは実に2.6も点数が減った。

GOEの細分化により出来栄えで高得点は望めるにしても大幅なダウンだ。

最高難易ジャンプのアクセルも同様で、かつてはトリプルが8.5、クワドは15.0だった。

クワドアクセルと他の4種のクワドとの点差が僅か1.5というのは、クワドアクセルに挑んでもリスクが高くなるだけだ。

細かいところで言えば新たにq(クオーター)マークが出現。

ジャンプの回転が1/4不足していた場合、基礎点はそのまま与えるがGOEで減点するとのこと。

アンダーローテションと違い回転不足とはならないらしいが、そこまで正確に見ることが出来るのかが疑問視されている。

確かに成功とアンダーローテションの間にqマークは入ってくるので、今でもジャッジによって回転不足の判定に甘辛があるのに果たしてちゃんと判断出来るのか心配だ。

こういった疑問や心配はあるが、今回の変更は大きな流れとして点数の割合がジャンプに偏りすぎたのを良しとせず、芸術性も含めてもっとプログラムを総合的に評価しようということなのだろう。

確かにジャンプは回り切って降りてさえくれば、多少ぐらついても高得点を貰えるし、ジャンプの出来が順位にあまりにも影響を与えすぎていたのが最近の状況だ。

もっと美しいフィギュアスケートを・・・との流れは本来この競技が持つ良さを引き出してくれると思う。

選手によっての有利不利は多少は出るだろうが、それほど影響は受けないと思う。

この改正は北京オリンピックまでこのままだろうから、各選手はオリンピック前の大切なシーズンである今季、ジャンプの総点検を行い来年本番の構成を決める壮大なテストシーズンと位置付けることになるだろう。

シーズンインを待ちたい。

今シーズンが無事に開催されることを願う。

 

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セバスチャン・ベッテル今季限りでフェラーリ離脱! シートの玉突きが発生することに

今季開幕が大幅に遅れているF1世界選手権。

そんな中ビッグニュースが飛び込んできた。

かねてより噂の絶えなかったセバスチャン・ベッテルフェラーリ離脱。

これが正式に発表されたのだ。

報道によるとフェラーリベッテルに示した契約が1年契約と給与減額。

シャルル・ルクレールがチームの顔となる訳で事実上ナンバー2扱い。

この提示でベッテルが「はいそうですか、わかりました」と言う訳がない。

少なくとも昨シーズンは、フェラーリのトップドライバーはベッテルで、ルクレールは才能あふれるドライバーではあるが経歴的にナンバー2が共通の認識。

ところがルクレールの才能は半端なかった。

誰が見てもベッテルよりルクレールが優れていると思うパフォーマンス。

シーズン途中からはルクレールも表向きベッテルに敬意を表していたが、自分がナンバー1ドライバーだということを言動と行動で示すようにもなっていたと思う。

フェラーリ首脳陣もルクレールの行き過ぎた行動、言動に注意を与えてはいたものの、それはほとんど形式上だけのものであるように感じられた。

それを証明するように、今シーズンまだ1戦も戦っていない中でプライドを傷つける契約内容の掲示

ベッテルはおそらく掲示を見た瞬間、離脱に向かって動き出したと思ったはずだ。

レッドブル時代4年連続チャンピオンを成し遂げたベッテル

一世を風靡したベッテル

まだ老け込む年ではないはずだが・・・。

 

問題はフェラーリの空いたシートに誰が座るのか。

ベッテルはどこへ行くのか。

最初にベッテルの後任。

噂されているのは以下の3名。

カルロス・サインツ

ダニエル・リカルド

アントニオ猪木・・・ではなくてジョビナッツィ。

一部にフェルナンド・アロンソの声もあるようだが、あくまで声だけであろう。

まずダニエル・リカルド

あっと驚く何とやらでレッドブルを飛び出したが、表向きフェルスタッペンとの関係は良好と語っているが、そんなはずはない。

チームがフェルスタッペンに傾斜していくのを強く感じたに違いない。

そのあたりルクレールベッテルの関係に似ている。

さらに言えばホンダエンジンへの不信感も離脱の大きな理由だったはずだ。

移籍先のルノーがさっぱりだったので、リカルド自身は忸怩たる思いをしている。

表向きは綺麗なコメントを残しているが内心、己の決断を悔いているだろう。

但しフェラーリにはルクレールが居る。

ある意味フェルスタッペンより手ごわい。

そんな環境でリカルドが我慢出来るとは思えない。

ただ、ルノーより確実に戦闘力が増すフェラーリのシートは魅力だ。

リカルドの決断次第か・・・。

カルロス・サインツ

これまたレッドブル育成出身。

ルノーへのレンタル移籍を経て昨年マクラーレンのドライバーとなり結果を残す。

ピエール・ガスリーレッドブルで失敗した時、サインツが居てたらと惜しまれた。

マクラーレンは来季からメルセデスのエンジンを積む。

今年フル参戦して実績を重ねていたら、フェラーリ移籍も考えたと思うが、サインツ自身マクラーレンでもうひと仕事と考えているのではないだろうか。

アントニオ・ジョビナッツィ。

候補3人の中でもっともフェラーリとつながりが深い。

F1は昨年アルファロメオでフル参戦。

キミ・ライコネンのチームメイトとして14ポイントを獲得している。

私は案外ジョビナッツィが一番可能性が高いのではと思っている。

フェラーリの来季はシャルル・ルクレールのためのチームとなるはず。

目指すはコンストラクターよりルクレールのドライバーズチャンピオンだと思う。

そのためには完璧なセカンドドライバーが求められる。

リカルドにしてもサインツにしてもセカンドドライバーでは役不足だ。

なのでジョビナッツィが最有力と思うのだが・・・。

 

次にベッテルはどこに行くのか。

可能性があるとすればサインツフェラーリに移籍した場合のマクラーレン

あとはレッドブルへの復帰。

その場合アルボン、クビアト、ガスリーの内一人がシートを失うことになるが。

これ以外だとF1カテゴリーから離れると思う。

トップ3以外への移籍はなかなか考えにくい。

復活著しいマクラーレンなら可能性があるかもしれないが。

ベッテルの運命や如何に。

 

 

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ミルコ・デムーロ復活の狼煙 マイルカップ制覇

無観客開催が続く中央競馬

GⅠ春の6連戦第2戦NHKマイルカップ

GⅠ馬レシステンシアはじめ、無敗馬2頭、重賞2勝馬などの好メンバー。

しかしレースを制したのは上記人気馬ではなく、マイル実績がないことで人気を落としていたミルコ・デムーロ騎乗のラウダシオンだった。

ルメール騎乗1番人気レシステンシアがスタートからスムーズに単騎逃げに持込もうとした横を、デムーロ騎乗のラウダシオンが一瞬競りかける。

レシステンシアを凌ぐ勢いがあったが、すぐ2番手に控えて追走。

レースはルメールが直線で余力を残すべく、速すぎず遅すぎずのペース。

直線に向いて逃げ切り体制に入ったレシステンシアだったが、ラウダシオンが力強く差し切って優勝。

デムルメが作った絶妙なペースに人気の追込勢は全く勝負にならず。

デムーロルメールも共に初騎乗の馬。

桜花賞が当然ピークの仕上げだったレシステンシア。

ルメールは無理をせず、どちらかというと安全に勝ちに行った印象。

これに対しデムーロは負けて元々の気楽さはあったと思うが、一瞬でもレシステンシアに喧嘩を売った分だけ、レシステンシアに余計な足を使わせたのかもしれない。

9番人気という低評価を覆すミルコ・デムーロの好騎乗だった。

ルメールとJRA騎手免許を同時取得し、デムルメを買っておけば間違いないという評判を生んでいたデムーロ

たが、ここ2年はそのルメールに大きく差をつけられてしまった。

同時にデムーロの騎乗に対するファンの辛辣な声も聞こえるようになった。

さらに短期免許で来日したレーンやマーフィーなどに注目が集まる。

存在が薄くなりつつあったのは否定できない。

しかし今回ラウダシオンによるマイルカップ制覇は長らく続いた不振を脱する絶好の機会となるのではないだろうか。

勢いに乗れば止まらないタイプのデムーロ

来週からは目を離せなくなる気がする。

特にGⅠに乗るデムーロには要注意だ。

ビックリ! アレクサンドル・トゥルソワがエテリコーチの元を離れプルシェンコに師事

スポーツの話題と言えば、もっぱら再開時期に集中しているが、フィギュアスケート界から驚きのニュースが飛び込んできた。

 ロシア3人娘のひとり、アレクサンドル・トゥルソワがエテリコーチの元を離れ
エフゲニー・プルシェンコに師事するとのこと。

突然の報道だが、静かに潜行して物事が進んでいたんだろう。

トゥルソワ勝負に出たなっていうのが印象。

実際、昨季はシーズンが深まるにつれ勢いがなくなり、コストルナヤ、シェルバコワの後塵を浴びるようになっていた。

私なんかは早くもピークを過ぎたのではと思っていたが、本人も危機感を持ったに違いない。

こういった場合普通の流れとしては、

ジュニアのように試合で容易に勝てなくなってきた

スケートの調子が崩れてきて練習でも思うように跳べなくなってきた。

エテリコーチから目を掛けてもらえなくなった。

それをトゥルソワは微妙に感じ取った。

今のままでは永遠にコストルナヤ、シェルバコワに勝てない。

北京で上を目指すならエテリの元を離れるしかない。

そういう事なんだろう。

ごく自然な流れだ。

エテリは確かに最も優秀なコーチの一人だろう。

しかし結果を見れば、なんだろう、世間で言われる優秀な指導者につけられる呼び名、
名伯楽とはちょっと違うような気がする。

素質は確かに見抜くのだろう。

そして次々とトップ選手を育て上げる。

いや育てるというより製造しているって感じ。

贔屓目もあるかもしれないが、クリケットとは明らかに違う。

いずれにせよトゥルソワはエテリの元を去った。

その新たなコーチがプルシェンコというのがまた物議を呼んでいるようだが、エテリとプルシェンコの確執は正直どうでも良い。

プルシェンコとしても指導者として生き残るには絶好の人材だ。

現役スケーターから神様的な存在のプルシェンコだが、崇拝こそされてはいる物の、コーチとしての評価は必ずしも高くないようだ。

4回転論争を巻き起こすほどジャンプに対してこだわりを持つプルシェンコ

トゥルソワサイドからすると、これ以上の師はいないという感じだろう。

さあ、プルシェンコはどう動く。

息子を連れて日本でショーを開くどころではないと思う。

現時点で今シーズン無事開催されるか未定だが、私に言わせれば師弟共々正念場だ。

目が離せない。

 

 

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JRA思い出の名レース 昭和47年中山大障害・春

スポーツ界は新型コロナの影響で軒並み中止か延期。

テレビもドラマ、バラエティ共に収録不可で過去の放送をオンエアしている状況。

この拙ブログはスポーツ中心だが、この状況下では思うように更新できない。

そこで私もスポーツ界の過去の名勝負について、記憶を掘り起こしながら記させていただこうと思った次第だ。

但し、記憶があいまいな部分はHP上に発表されているデータで補完させていただく。

今日は中央競馬から。

無観客ではあるが幸い競馬は毎週開催され、見応えあるレースが繰り広げられている。

本日紹介させていただくのは昭和47年中山大障害・春。

私が初めて中山大障害を見たのが(テレビでだが)このレース。

開催日は記録によると6月4日。

前年暮れに発生した馬インフルエンザの影響で大幅に日程が後ろにずれ込んだ年だ。

注目されていたのは関西馬ダテハクタカ。

平地でも堂々たるオープン馬で天皇賞菊花賞で好走し阪神大賞典を勝っている。

当時は平地オープン馬が障害に降りてくる(という表現をあえて使う)馬はいなかったと記憶している。

障害に入って秘めた才能が開花。

重賞の阪神障害ステークスに勝って中山大障害目指して東上。

前哨戦のオープンを勝って無傷の4連勝。

本番当日断然の1番人気だったが、何者かがダテハクタカに化学薬品を投げて目にかかり、出走取消という競馬史上に残る大事件が起こる。

今考えたら公正競馬が出来ない状況なので中止でもおかしくなかったと思うが・・・。

代わって1番人気になったのがこれも関西馬インターヒカリ。

障害戦績20戦(14・3・1・2)

阪神障害ステークス、京都大障害秋・春連覇。

平地成績が16戦(5・1・1・9)だったので、

成績を見れば障害に入り水を得た魚状態だった。

ただ、中山大障害は一度使って大竹柵で落馬していた。

レースが始まったが、初めて中山大障害を見た私がまず驚いたのがバンケットと言われる坂を下がって上るコース。

当時中学生だった私は仰天したのをはっきり記憶している。

何しろ画面から消えるのだ。

その坂を上ってきたところにあるのが大竹柵。

大きな壁となって立ちはだかる大竹柵に何とも言えぬ高揚感を覚えた。

障害を飛越するときのリアルな音声が迫力を増す。

ここでインターヒカリが落馬してしまう。

その瞬間、実況していたフジテレビの赤木アナが(盛山アナだったかもしれない)インターヒカリがまた落ちた・・・と言ったのだ。

後で前回の中山大障害でも落馬していたことを知るのだが・・・。

 

鞍上は故須貝四朗氏。

当時関西3強と謳われたロングエースランドプリンスタイテエム

その中でタイテエムの主戦ジョッキーだった。

引退後は関西テレビの競馬中継で解説を務めていたのが懐かしい。

ゴールドシチージャスタウェイ須貝尚介調教師は甥にあたる。

その須貝ジョッキー。

落馬したインターヒカリに再騎乗し、大きく遅れながらレースに復帰。

8頭立てでダテハクタカ除外による7頭出走。

もう1頭が大竹柵で落馬していたので結果として最後方大きく遅れて6着入線。

大きな拍手に迎えられてゴールしたのが印象に残っている。

インターヒカリの飛越は高く跳ぶのではなくスピード豊かに低く跳ぶ。

それが中山の大竹柵が跳べなかった原因だったんだろう。

勝ったのはナスノセイラン。

中山大障害・春連覇の偉業。

2着はナスノヒエン。

ナスノセイランの弟で姉弟による1着2着であった。

インターヒカリはこのレースを持って引退。

ダテハクタカもその後2戦障害を走ったが輝きは失われており引退。

初めて見た中山大障害コースの凄さとレースの激しさ。

関西2騎の不運。

姉・弟の1・2着。

強烈な印象を植え付けられたレースとして今も時々思い出す。

 

※データ上の補完は「優駿達の軌跡ー競馬データベース」を参照致しました。