影無茶のスポーツ24/7

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映画鑑賞記録 劇場版「TOKYO MER~走る救急救命室~」 脚本の酷さをキャストの頑張りが大きくカバー

仕事以外全部趣味

プライムビデオで鑑賞。

テレビ放映時も第3話からだが見ていた。

チーフドクター喜多見演ずる鈴木亮平の冷静沈着に行動する演技が気に入ったからだ。

昔「タワーリング・インフェルノ」という超高層ビルが火災になり最上階に多くの人が閉じ込められる映画があった。

パニック映画全盛期だ。

その映画で消防隊長を演じたスティーブ・マックイーンがビルの中に消火活動に入り、目の前が炎に包まれているのに冷静に消化の指示を部下に与えているシーンがあったが子供心に、なんでそんなに冷静でいられるの?と思いながらも、めちゃくちゃカッコ良く、強烈な印象を持った。

鈴木亮平の演技を最初見てこの時のマックイーンを思い出したのだ。

 

今回の劇場版は横浜ランドマークタワーがテロリストにより爆破され、最上階で多くの人が孤立状態になる。

正にタワーリング・インフェルノのシチュエーション。

火災の報を受け出動するのが東京MERと新設された地元エリート軍団の横浜MER。

とんでも厚生労働大臣の思惑により、現場で救助方針で対立するお決まりの展開。

見通しの甘さから火災規模が予想外に広がるのもお約束。

当然最上階の人々の救助は困難な状況に陥る。

最初は楽観的に考えていた救助を待つ人々も、パニック状態に・・・。

偶然そこには、喜多見と再婚した身重の妻と、MERのメンバー看護師長がいた。

と言う展開だが、例によって突っ込みたくなるところが満載。

それに、映画の後半、妻を救助に向かうシチュエーションに時間をかけすぎて、前半のテンポの良さが消えてしまったりするところも残念ではある。

しかしこういった映画にいろいろ突っ込むのは野暮というのもまた事実。

なにより演者が頑張っている。

プライム会員なのでレンタル料は発生していないし、文句はつけないでおこう。

(もうしっかりつけとるやないか!)

 


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考えてみたらタワーリング・インフェルノもけっこう突っ込みどころ満載だ。

 

映画鑑賞記録「ソルト」 アンジーのアンジーによるアンジーのための映画

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これはまた物凄い内容。

アンジェリーナ・ジョリー主演の「ソルト」

公開は2010年。

当時ロードショー公開で鑑賞したが久々にU-NEXTで再見。

ノンストップアクションで見ている我々に余計な事を考える暇を与えない。

それはそうだろう。

そうでなければ突っ込みどころ満載で大変だ。

冒頭、某ならず者国家に拘束され拷問を受けた主人公CIAのソルト(アンジー)。

捕虜交換と言う形で釈放され任務に戻るが、突然CIA本部に表れたロシアの亡命希望者を取調中、その男の発した言葉でCIAから二重スパイの疑いをかけられてしまう。

逃亡するソルト。

街中に網を張り、徹底的に追跡するCIAの部員たち。

しかしソルトは情報部員としてあらゆるスキルを身に着けた無敵の女性だった。

あとはノンストップのアクション満載。

追いかけるCIAをあざ笑うかのように、ある目的に向かって突進するソルト。

ソルトの本当の目的は何なのか。

とにかくアクションシーン満載でアンジーは見事にそれを演じている。

ここらあたりはあのミラ(アリス)ジョボビッチかアンジーかって趣だ。

いかにも続編ありきな展開だったが公開されていないのは、初めからそのつもりだったのか、それとも興収が思ったほどでなかったのか、アンジーの都合か・・・。

当時のこの映画の公式サイトのイントロダクションにはこう書かれていた。

アンジェリーナ・ジョリーがCIAエージェントに扮したアクション・サスペンス。

CIAエージェントとして働くイヴリン・ソルトは、自分でも知らないうちにロシアのスパイの容疑をかけられてしまう。身におぼえのない嫌疑を晴らすため、そして自分を陥れた黒幕の正体を暴くため、あらゆるスパイ技術を駆使したソルトの孤独な戦いが始まる」とある・・。

フムフム・・・。

この映画の正しい見方はとにかくアンジーのアクションに酔いしれる。

アンジーのアンジーによるアンジーのための映画なのだ。

あまり細かいところは疑問視しない方が良い。

それが正解だ。

 


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映画鑑賞記録「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」 くだらない内容をこんなにちゃんと作っているのは凄い!

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話題の「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」を観てきた。

1作目は未鑑賞。

今回関西が舞台ということで怖いもの見たさでシネコンに足を運んだ訳だ。

結論から言うと期待以上。

つまらなくて観ている途中で映画館から出たくなるのではと思ったが、そんなことは一度もなかった。

それどころかあまりにもリアルにご当地ネタを実名(実曲)で面白おかしく繰り出してくるので見飽きることなく最後までテンションを維持出来た。

簡単に設定を言うと、埼玉に海を作ろうと計画し白浜の砂を持ち帰ろうとGACKTは仲間たちと和歌山うに向かうが、嵐に会い遭難してひとり漂流する。

そこでGACKTが見た白浜は大阪に乗っ取られていた・・・。

この白浜を牛耳っている大阪のメンバーが黄色の縦じまユニフォームだったので、いきなりクスっと笑ってしまう。

この後も小ネタ大ネタが随所に盛り込まれていく訳だ。

この映画で関西は大阪・京都・神戸のあちら側が絶対的権力者として幅を利かしており、和歌山、奈良、滋賀のこちら側は蔑まれ、人として扱われていなかった。

GACKTは滋賀解放戦線リーダーの杏と出会い、共闘して大阪・京都・神戸勢と雌雄を決するために戦いを挑む。

といった感じか。

何じゃあこりゃあ~って内容のオンパレードだが意外に脚本がしっかりしており破綻がなく最後までしっかりついていける。

役者陣も大真面目にナンセンスな役を演じきっており、特に大阪府知事愛之助の突き抜けた演技は見物だ。

私はあちら側で生まれ育ち、今はこちら側の県で住んでいるのでなかなか複雑な心境だったが、基本的に関西人はこういった突っ込みには寛大で、うまいこと言うわって感じで受け入れるので心配している制作側や演者は安心して欲しい。知らんけど。

ただ、この映画の面白さがわかるのは関西人限定かも。

 


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映画鑑賞記録「ゴジラ−1.0」確かに良く出来ているが私は好みではなかった

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話題の「ゴジラ-1.0」を観てきた。

初動がシン・ゴジラを上回ったようで評価も高い。

実際良く出来ている。

山崎監督真骨頂のVFXもレベルが高い。

しかし筋は相当に無理がある。

いや、元々怪獣が出て来て大暴れすること自体が無理筋なんだが。

昭和30~43年あたりまでの怪獣映画は当然無理もあったが脚本が絶妙だった。

それに当時は怖い中にも東宝らしい明るさと心地よい軽さがあった。

今回のゴジラ−1.0は戦後敗戦国となった日本をゴジラが襲うと言うことでベースが暗すぎるのだ。

暗い上に真面目に作っていて気が抜けるところが無い。

それをかろうじて佐々木蔵之介吉岡秀隆が担っているが、他が重すぎる。

テーマが大真面目で遊びがない分見ていて疲れる。

いや、しかしこれは好みの問題で私には少し合わなかったということだけだ。

私が最も好きな怪獣映画は土屋嘉男演ずるあのX星人の「怪獣大戦争」と書けば、今回のゴジラ-1.0が少し合わないということも納得していただけるだろう。

観た人の大半はとても良かったとの評価だし、シン・ゴジラの後ということで制作サイドのプレッシャーは半端なかったはずだ。

それを超えようとの意気込みで作ったであろう作品には間違いなくなっている。

何と言っても特撮が凄い。

これは世界に誇れる出来だ。

予告編でも流れているがゴジラがゲタ電を加えて嚙みちぎるところなんかは本当に良く出来ている。

その他にも特撮は見せ場一杯だ。

音楽も伊福部音楽を効果的に使っている。

私等の世代は伊福部音楽を聴くと胸が躍る。

今回伊福部音楽以外の曲も使用されていたが、平成ゴジラ以降使用された伊福部音楽以外の曲は全然受け入れられなかったが今回初めて良いと感じた(昭和怪獣映画の佐藤勝は良かった)。

初代ゴジラは芹沢博士が発見開発したオキシジェン・デストロイヤーで海の藻屑と消えた。

シン・ゴジラは東京駅付近で凍結状態にされた(生死不明)。

果して今回の−1.0ゴジラはどのような結末を迎えるのか・・・。

それは見てのお楽しみということで。

最後にひと言・・・浜辺美波ジョン・マクレーンか!


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映画鑑賞記録「正欲」 稲ガッキーVS新ガッキー     マジョリティとマイノリティはもしかしたら紙一重

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朝井リョウ原作「正欲」の映画化。

原作既読。

ここ数年本をよく読むようになったので原作既読状態で映画を観ることが多い。

観てから読むか、読んでから観るか。

今回は読んでから観たということになる。

ある意味壮大なネタバレだ。

先日投稿した「ドミノ」でネタバレについて私見を書いたが、既読のネタバレと映画を観た人からのネタバレとは意味合いが異なる。

既読者は、(当然かもしれないが)未読で知識を持たずに観る人に比べて始めから映画に入り込むことが出来るだろう。

マイノリティの中でもさらに深い、当人にとっては闇と感ずる性的マイノリティを持っている4人の物語。

それを新垣結衣磯村勇斗佐藤寛太、東野絢香が演じる。

それに対しマジョリティ側として配置されているのが稲垣吾郎演ずる検事。

全てを普遍的な枠にはめて、そこから外れることを受け入れず「キモイ」のひとことで済ます人物だが、この作品ではとても大切な位置づけになっている。

マイノリティ4人の誰にも理解されない(本人はされたいとも思っていない)生き方。

この4人達とあたり前の世界で生きている人間との関りをこの映画は残酷に描く。

見ていて苦しくなる。

稲垣含む5人は当初それぞれ個別に描かれるが、後半クロスしていくことになる。

5人は全て好演。

特に稲垣吾郎新垣結衣の二人。

新垣結衣は言葉では上手く言い表せないが、心に響いてくる演技だった。

稲垣吾郎も年を重ねていい役者になった。

最近の「新しい地図」3人共とてもいいね、ほんとに。

ラスト、ああこれでエンドロールが流れるんだろうなと思ったらドンピシャだった。

印象的なエンディング。

人は誰でもマジョリティの中にマイノリティな部分が潜んでいる。

それが顕在化するかしないかは紙一重なのだ。

今回映画を観終わってひとつ決めたことがある。

小説が映画化される場合は・・・読んでから観て、観終わってから再び読む。

だよね。

 


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