つい数年前までは2年で300勝は上積みしていた訳だから最近のペースダウンは寂しい限りだ。
確かに全盛期は良い馬に多く騎乗していた。
シャダイとの確執やアドマイヤ勢との決別など政治的な理由で騎乗馬の質が落ちたのは間違いないだろう。
しかしあの勝ちまくった時の数字の凄さは空前絶後。
おそらく今後も中央競馬では破られない記録だろう。
大レースで圧倒的な人気馬に乗って勝ちきる。
簡単なようで簡単ではない事は最近の競馬を見ればよくわかる。
それほど武豊は凄かったのだ。
武と言えばお父さんは武邦彦。
今の若い人は知らないだろうが、関東馬が強かった時代、関西にキタノカチドキという名馬が存在した。
その主戦ジョッキーだった訳だが、もちろんそれだけでなく
やや遅咲きではあったが名人と言われるようになり、関東馬だったトウショウボーイにも騎乗した。
今でこそ関東馬に関西ジョッキー、関西馬に関東ジョッキーが乗るのは当たり前だが、
当時は極めて珍しくそれほどの名手だった訳だ。
その息子の豊がデビューした時、注目もされたがすぐにブレイクして勝ちまくった。
テレビのバラエティにも多く出て競馬を一般の人にも身近な物にした。
競馬をただのギャンブルとしての対象だけでなくある種スポーツとして世間に認知させた大きな功労者だ。
そんな武豊が勝てなくなった。
私は落馬後無理をして早くに復帰したのが問題だったと思っているのだが、
去年の暮れあたりから復調の気配ありと感じている。
岡部ジョッキーなどは50歳前後でも100勝以上勝っていた訳で、武豊もまだまだ老けこむ年ではない。
もうひと花もふた花も咲かせて欲しいと思っている人は多いだろう。
私ももちろんその一人だ。