4月8日ボクシングトリプル世界戦の開催が発表された。
その昔、小林、西城、大場らがいた時代にも5人程だったか同時期に世界王者がいた時代もあったが、
その後の低迷期を経て、ここ数年はかつてないほど世界王者が君臨している日本ボクシング界。
ベルトを巻くにはちょっと問題があるのではと思う選手がいるのは確かだが、
やりたくてもやれないトリプル世界戦が頻繁に行われるようになったのも世界王者8人のなせる技だ。
今回は名門帝拳プロデュースで、二人が防衛戦で一人が挑戦だ。
相手は大橋ジムの八重樫、真正ジム所属のマルコム・ツニャカオ。
大橋ジムと言えば200年に一人の天才ボクサー井上が注目の的だし、
真正は再起を目指す長谷川穂積の所属するジムだ。
帝拳はスーパー王者西岡が引退し、今回のトリプル世界戦でジムの力を証明したい所だ。
バンタム級王者山中はあの世紀の戦い岩佐戦に勝って世界に駆け上がったA級王者だ。
初防衛戦のダルタニヤン戦もKOこそならなかった物の相手の持ち味を出させず圧勝だった。
前回のトマスロハス戦も脳裏に刻み込まれる強烈なKO劇だった。
マルコムツニャカオも強いが山中はまず負けないだろう。
これだけ強いのになぜか世間の山中に対する評価が今一つのような気がする。
おそらくダルタニアン戦の最終ラウンドでアウトボクシングに徹した所だけを否定的に捉える向きがあるんだろうが、あそこで無理をする必要は全くなかった。
もし攻めに行って、相手のラッキーパンチをもらおうものなら、それこそ非難されてもしかたがないが、
そんな器の小さい選手でない事はちゃんと試合を見てもらえればすぐにわかる。
もっと正当な評価を受けて欲しい名王者である。
もう一人の五十嵐だが、八重樫が2階級制覇をかけて挑戦してくるのだが、
井岡戦で見せたあの素晴らしいファイト。
再起戦でのスピードあふれる試合ぶり。
どこから見ても八重樫の優位は動かない。
近い将来、井岡がフライ級に転向してきた時に八重樫との再戦を何としても見てみたい。
このマッチメイクを実現した帝拳、大橋、真正の各ジムに拍手を送りたい。