今週はマイルカップが行われる。
実は私的にGⅠの中で最も興味のないレースがこのマイルカップだ。
理由はと言えば、ただ何となくって感じなんだけど。
このマイルカップ、前身はご存知の方も多いと思うがNHK杯である。
ダービートライアルとして優先出走権が与えられると同時に関西馬にとっては府中競馬場を経験する意味もあった。
その頃は今ほど東西の交流はなく、パソコンなどもない時代だ。
情報もスポーツ新聞の記事とテレビ中継や競馬ダイジェストで見る映像のみだった。
私は中学生の頃から競馬が好きだったので(もちろん馬券は買ってません)毎週テレビ中継と夜のダイジェストは欠かさず見ていた。
NHK杯には皐月賞に出なかった関西馬が東上して関東初見参というケースがけっこうあった。
そういった馬達がよく勝利した。
そこで生まれた言葉が「関西の秘密兵器」!
一体何頭の関西の秘密兵器が誕生し、結局秘密兵器は秘密兵器のままだったという結果に至った事か。
ランドジャガー。
この年は関西馬が強かった年で、ロングエース、ランドプリンス、タイテエムが関西3強と言われていた。
実は前年の馬インフルエンザ流行の為クラシックレース施行時期が遅れており、例年通りならダービーを取っていただろうと思われる怪物ヒデハヤテもいた。
そんな中、ランドジャガーは関東初見参のNHK杯に見事勝利した。
実は騎乗したジョッキーが小島太!
今でこそ関東の騎手が関西馬に、関西の騎手が関東馬に乗るのは当たり前の事だが、当時そんな習慣はなかった。
そこに関東の小島騎手が騎乗したものだから子供心に新鮮だった。
まだあんちゃんだった小島騎手。
これがあってか今でも小島厩舎の馬は気になっている(が、大レースで裏切る事が多い)
このランドジャガー結局ダービーは5着?くらいだったと思うが、これが関西の秘密兵器のはしりだった。
その後もNHK杯で初東上の関西馬が勝てばたいてい秘密兵器と言われた。
昔からの競馬ファンなら一度は名前を聞いた事のある馬達もNHK杯で華々しく勝利し、ダービーでもそこそこ人気して散っていった。
私にとってNHK杯は今でもマイルカップではなく、昔のこのNHK杯こそNHK杯と思っている。
情報が今ほどない古き良き時代の魅惑の言葉「関西の秘密兵器」。
毎年この時期になると懐かしい響きとして甦る。