ガッツが代打サヨナラホームラン!
スタンドはもちろん喜びに爆発していたが、一種異様なざわめきがしばらく球場を支配していたように思えた。
皆が待ちに待ってたガッツ小笠原の復活。
しかしそれは叶わぬ思いではないか・・・という半信半疑のファンも多かったに違いない。
私もその一人だが、サヨナラの瞬間飛びあがって喜んだが、すぐ後に何か信じられない物を見た・・・と言う感覚が思い廻った。
スタンドの観衆も歓喜しながら何かそんな感じを持ったのではないだろうか。
ガッツ自身も1塁を回るあたりは努めて平静な表情だった。
ベンチが一番盛り上がってただろう。
ホームベース付近はもう大騒ぎだ。
ようやくガッツも呪縛から解放されたかのように満面の笑みを浮かべた。
おかえりガッツ!
日ハム先発吉川は間違いなく昨年の日本シリーズのリベンジに燃えていた。
ボウカーがわざわざこの日に復帰してきた事も、より以上に闘志を湧き立たせるに充分なシチュエーションだったろう。
実際その思いが乗り移ったかのような素晴らしいピッチング。
丁寧に、そして気迫のこもった球がズバッ、ズバッと決まる。
何と7回1死まではノーヒットに抑えられてしまう。
しかし澤村も最終テスト(何回目だ!)で踏ん張り、陽のホームラン1点に抑える力投。
私はこの展開を見ていて、吉川に、昔、まだスワローズがアトムズだった時代のヤクルトに在籍していた松岡弘投手をダブらせていた。
彼は右投手だが、ジャヤイアンツに対してしばしば今日の吉川のような好投を見せていた。
しかし、終盤たった一発のホームラン等により敗れてしまった事が何回かあった投手だ。
何だか知らないが、今日もそんな事にならないかなあと思って見ていた。
そんな時、8回2死から中井がヒット、代走立岡がこれしかないというスチールに成功。
ここで亀井が値千金!センター前にタイムリーを放った。
普通ならアウトのタイミング。
ほんの僅か陽のバックホームのバウンドが不規則になったのかキャッチャー鶴岡ボールを確保できず同点ホームとなった。
正にワンチャンス、ここしかない状況での同点タイムリー。
昨日のサッカーの1対1は勝利に等しい。
しかし今日の1対1はそうではない。
絶対に勝ちきらないといけなかった。
そんな時に飛びだしたのがガッツのサヨナラホームランだった訳だ。
普通なら満塁策だ。
それが勝負に行ってフルカウントからのサヨナラなんて普通ありえない状況だ。
今日は亀井、ガッツと地獄を見てきた男二人の活躍が首位陥落の危機を救った事になった。
明日はホールトンの最終テストだ。
打線は若手とベテランの融合が見られるかに注目したい。
その融合があってはじめて安心して見られる状況になるだろう。
そこに注目していきたい。