世界陸上モスクワ大会が終わった。
銅メダル1、入賞7。
陸連の掲げた目標はメダル1、入賞5だ。
目標設定が実に適正だった・・・と言うか自らの実力を過信せず確実に達成可能な目標を設定していた、つまりとても現実的な数値だったという事だろう。
メダルについては、もっと攻めの設定なら3~4を取れれば・・・というのが本音だろう。
その候補は女子マラソンで2、男子ハンマー投げ室伏で1、やり投げ村上で1、男子4×100リレーで1。
この5個の内3個は取りたかったというのが偽らざる気持ちだと思う。
競歩の西塔、男子棒高飛びの山本、女子10000mの新谷等、よく頑張った選手もいた。
山本はロンドンの失敗を経験して今回大きく飛躍した。
21歳という若さもあってリオに向けて大きな光となるだろう。
かつて友情のメダルで知られる西田、大江が表彰台に上ったのが77年前のベルリン。
決して日本人が表彰台に上るのが不可能な種目ではないのだ。
山本選手にはますます精進してもらいたい。
トラック長距離陣はそれなりに頑張ったが、短距離勢は総じて不振であった。
もちろん短距離においてはなかなかメダルというのは難しいのが現実だが、今回は全員がシーズンベストに大きく及ばずの状況だった。
練習方法を含めた調整の問題か、根本的に強化方法が間違っているのか、とにかく今のままでは世界との差は開く一方という印象を受けてしまった。
マラソンは女子で福士が意地のメダルを獲得した。
彼女はもうマラソンは走らないと話しているようだが、リオにおいてはおそらく5000、10000よりもマラソンの方がメダルの可能性が高い事を自覚しているだろうから、きっとまた走ってくれるだろう。
今回世界のトップにくらいついて健在ぶりを見せた日本女子マラソン陣。
これから現れるであろう選手を含めて、リオに向けては大変意義のあるレースだった。
男子においては中本が5位入賞と最低限の位置を確保する事が出来た。
公務員ランナー川内選手は、何故ああもストイックな状況に自らを追い込んでしまうのだろう。
失敗したら引退覚悟とレース前に話したようだが、追い込む事で自身を鼓舞しようという狙いなのかもしれないが逆効果だと思う。
何のためにあれだけレースを走って調整してきたのか。
平常心で走って欲しかった。
それでこそ公務員ランナー、市民ランナーではないのか。
早くも次のマラソンが決まったようだが、次回チャンスがあるなら精神面の調整を失敗しないで欲しい。
あと個人的に今大会で一番印象に残ったのは女子棒高跳びのイシンバエワだ。
もう終わったと思っていた彼女がまさかこの地元モスクワで大復活を遂げ金メダルに輝くとは。
あの美しい跳躍は今でもしっかりと目に焼き付いている。
今大会はイシンバエワの為の大会だったと伝えられていくのではないだろうか。
復活の瞬間を見られて本当に良かった。
最後に次回の世界陸上北京の放送でも織田裕二をキャスターとして起用して欲しい。
陸連は騒がしいとかであまり気にいってないとの報道があったが、個人的には(個人的にですよ)松岡氏より良いと思う。