優勝旗がついに白河の関を超えるのか。
花巻東と日大山形が準決勝で別の試合に組み込まれた時、東北同志の決勝戦の可能性までも囁かれたに違いない。
思えば初日の時に、今夏の九州勢は強い、関東もやっぱり強いと書かせて頂いたその通りの組み合わせになった。
昔、中森明菜のヒット曲に1/2の神話というヒット曲があった。
話が脱線するが、私競馬もやるがこの1/2の神話作戦は馬券検討によく使った物だった。
簡単に書くと同じ事は2度続かない。
今大会の準々決勝の内2試合は四国勢対東北勢だった。
1/2の神話で行くと、たいがいは1校ずつが勝ちぬくパターンだ。
ところが東北勢2校が準決勝に進んだ。
組合せを見ると両校が見事に別れた。
それを見た時に(東北応援の皆さんごめんなさい)1/2の神話パターンなら・・・。
特に日大山形についてはかつて東北が弱かった頃、常連校として甲子園に出場して孤軍奮闘といった感じであったが、その日大山形が県勢初のベスト4に残ったという事は感慨深い。
実際、同じ東北勢でも戦前は仙台育英、聖光学院の評判が高かったように思う。
その2校ではなく今回の2校が勝ち残ったと言う事は、間違いなく全体のレベルが上がっている事の証明で、優勝旗が白河の関を超えて津軽海峡を渡る前にどこかで止まるのは、すぐそこまで来ているだろう。
決勝戦は好投手高橋を擁し、個人的優勝候補横浜に完勝し、初出場とは思えない堂々たる戦いぶりで勝ち進んだ前橋育英と、3本の矢投手陣で宮崎県勢初の決勝戦進出を果たした延岡学園というフレッシュな対決となった。
好勝負必至の決勝戦。
最近の傾向からいくと前橋育英が優勢という事になるが、ある意味今大会を象徴するような高校生らしいチーム同志の決勝戦。
夏初出場の前橋育英は勝てばもちろん初優勝。
県勢初の決勝進出成った延岡学園ももちろん勝てば初優勝。
もし東北勢が決勝に進み優勝旗を持ちかえれば当然のことながら初優勝だった訳で初物づくしの決勝戦だ。
戦力が均等化してきた最近の甲子園。
新しい時代の象徴とも言うべき決勝戦だ。
長く記憶に残る戦いを期待したい。