影無茶のスポーツ24/7

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難しい判定ではあるが大毅の作戦勝ち

史上初の3兄弟同時世界王者なるかというIBF世界スーパーフライ級の王者決定戦。

前半から打ち合いの展開になるかと思ったが、そうはならず5Rあたりまでは、両者打ち合いを避け、時折大毅が飛びこんでパンチを当てそのままクリンチ・・・もしくは後退という場面が何度も見られた。

ゲレーロはガードを下げて足を使う大毅にパンチを打ち込もうとするがカウンターを恐れてか最後まで打ちこめない。

6Rあたりから少し試合の様相が変わり始め、ゲレーロの手数が増え始め、大毅も手数では劣るがゲレーロのガードをかいくぐって顔面にパンチを当てる。

7R、8Rもゲレーロのパンチがあたり始め明らかに5Rまでとは違う展開に。

試合の前半ははっきり言って世界戦というにはちょっと寂しい内容で、ヤマ場もなく、だらだらとラウンドが過ぎてゆくのかと思って見ていた。

ところが今日は後半に大きなヤマ場がやってきた。

特に10Rは見応えのある壮絶な打ち合い。

過去の亀田ファミリーの試合では絶対に見る事の出来なかったラウンドだった。

大毅の顔つきが凄かった。

何としてでも喧嘩に勝ってやるという闘争心が表情に出ていた。

このラウンドから最後3ラウンドは前半とは打って変わって手数のゲレーロ、見栄えのする大毅のパンチとが交錯する激しい打ち合いとなった。

結果はご存知のように3対0の判定で大毅が新チャンピオンとなった。

この判定についてもいろいろと言われるであろうが、僅差であれば大毅の勝ちとつけても全然おかしくないだろう。

前半の5Rまでは大毅がリード。

6~12Rは取ったり取られたりでほぼ互角と思われ、減点2が微妙だが、1~2ポイント大毅が勝ったという見方は成り立つ。

審判二人がえらく差をつけた判定になった為にまたもバッシングを受ける事になるだろうが、大毅には何の責任もなく責められるべきはあの差をつけたジャッジだ。

改めて試合を思い浮かべると、大毅もかなり顔面にパンチをもらっていた。

見ている時は試合後の大毅のダメージが心配な程だったが、案外ゲレーロのパンチは重くないのかもしれない。

大毅のパンチは迫力があった。

ただやはり減量苦の影響か倒すという感じではなかった。

いずれにしても序盤から打ち合えば手数の多いゲレーロに主導権を握られた可能性があり、前半足を使い(華麗ではなかったが)パンチを当ててポイントを取りに行った作戦が功を奏した感じだ。

これで3兄弟世界同時チャンピオン成った訳だが、亀田ファミリーへの風当たりは依然として厳しい。

亀田兄弟に限らず、これだけ世界王者が多くなった今、問われるのはより高みを目指す為の強い選手とのマッチメイクだ。

それを実践していかねばいつのまにかファンからそっぽを向かれてしまう事になるだろう。

それを肝に銘じて精進して欲しい。