いつかはこの日がやってくると思っていた。
しかし現実に目の前で記事を見た時は頭がクラクラっとした。
昨年1軍に上がった時に登板機会がなく2軍に戻ってしまった時。
今年のキャンプで1軍スタートしたにもかかわらず原監督から厳しい言葉をもらい2軍に戻ってしまった時。
何となくこの日が近いような気がした。
辻内崇伸25歳。
大阪桐蔭高校のエースとして甲子園でその豊かな素質は大きな花をさかせていた。
ドラフト会議での史上に残るハプニング。
オリックスが間違って交渉権獲得と発表してしまい、後に実はジャイアンツが交渉権確保のクジを当てていた事が分かったあの年だ。
これは今から考えると、神様からの暗示だったのではと思うのは間違っているだろうか。
結局1軍公式戦の登板は0。
ゼロっていうのはあまりの数字だ。
何故辻内ほどの逸材が1軍での登板数ゼロなんだ。
もちろん故障がちだった事は大きな要因だろう。
しかしそれでもゼロという現実は何と表現してよいのかわからない。
もう少し何とかならなかったのか。
高校時代の彼のピッチングに見惚れて夢見たジャイアンツでの活躍はそれこそ夢に終わってしまった。
おそらくトライアウトにも参加しないだろう。
まだ25歳。
月並みの言葉だが野球だけが人生の全てではない。
次のステージに進む辻内の活躍を祈念しよう。