GPシリーズ第4戦NHK杯女子、注目の浅田真央選手はフリーでパーソナルベストの136.33をたたき出し、合計もパーソナルベスト207.59点でぶっちぎりの優勝。
早くもファイナルの出場が決定した。
2位はロシアの天才少女ラディオノワがこれまた将来性豊かな演技でパーソナルベスト191.81点。
ラディオノワの今日のフリー技術点は浅田をも上回る。
ピョンチャンではロシア勢が一大勢力を築き上げている予感。
3位に鈴木明子。
残念ながら演技終了時に見せた彼女の表情が全てを物語っていた。
今日は演技前から緊張の表情を見せていたので不安が頭をよぎった。
それでも2本目に跳んだ2連続ジャンプが完璧だったので安心したのだが・・・結局今日の鈴木は、らしさをあまり出せなかった。
しかしこのフリーの演技は前にも書いたが、最後のシーズンを飾るに相応しいプログラムで、今後の熟成に期待したい。
それにしても浅田の演技は素晴らしかった。
観衆を魅了するとはこの事だ。
バンクーバー後の最悪の状態からよくぞ立ち直った。
美しさに力強さが加わり、現時点ですでにオンリーワンの世界感を作り出している。
トリプルアクセルは相変わらず(昨年に比べれば雲泥の差だが)完全には降りられず、今回もアンダーローテーションで得点は4.57だ。
それでも見た目には今までになく、跳べそうという雰囲気が漂っていた。
昨年までのヒヤヒヤ感が今年は感じられない。
アクセルが失敗してもその影響を引きずらないのは大きな進化だ。
もちろん、他のジャンプは失敗するような感じが全くしない。
特に今日は後半にダブルアクセル+トリプルトゥーループの連続ジャンプで8.84。
さらにトリプルフリップ+ダブルループ+ダブルループの3連続で10.29と高得点ジャンプを連発している。
スピンコンビネーションが珍しくレベル3だったが、最後のステップはもう圧巻。
リンクを一杯に使う浅田のステップは見ていていつも鳥肌が立つ。
このステップだけでも見る価値があるってもんだ。
技術点はラディオノワを下回ったが、演技構成点は誰の追随も許さない70.23点!
浅田はファイナルか全日本で、トリプルアクセルを2回入れたいと話しているようだが、本当に彼女はトリプルアクセルに魅せられているんだなあと感じてしまう。
それよりも、トリプルアクセルと3回転3回転の連続ジャンプを決める。
こちらの方に全力を注いで欲しい。
簡単に書いているがこの両方を成功させる選手はいない訳だ。
こうやって浅田を見ていると、やはりソチでは浅田に金を取って欲しい。
浅田自身、テレビ画面を通じて見る印象と違って、誰よりも負けず嫌いなので絶対金が欲しいだろう。
考えられているプログラムを成功させれば技術点であと10点は加点が見込める。
そうなると、演技構成点もさらに数点は上がるだろうからトータルで220点を超えていく事になる。
キムヨナがバンクーバーで出した228.56も射程圏だ。
もうオリンピックで表彰台の中央に立てずに涙する浅田選手を見たくない。
集大成と位置付ける演技を披露してくれれば、結果は向こうからやってくるだろう。