ソチへの道、GPシリーズ第5戦エリック・ボンバール杯が終わった。
今回日本選手の参加は男子の羽生選手だけだったが、ファイナル出場を巡って目の離せない状況だ。
女子はワグナー、ソトニコワ、パゴリラヤが表彰台に登り、同時にファイナル出場を決めた。
これで残念ながら鈴木選手のファイナル出場は絶望となった。
まあ、全日本に照準を合わせて調整すれば良い訳で、今季はまずソチへの出場権を得る事が最優先だ。
男子だが、パトリック・チャンが正に異次元の点数をたたき出して優勝。
羽生は最初のジャンプが跳べなくて、続く4回転も転倒したが、後半のジャンプをまとめ、結果としてスケートカナダよりも8.74点技術点を上乗せして、総合2位に食い込みファイナル出場を決めた。
細かく見ると、最初のジャンプが0.17点と全く点にならなかったが、4本目の3A+3T、7本目の3Lz+1Lo+3Sは見事に成功。
カナダではシングルになったり、アンダーを取られたりしていたので、羽生の言葉を借りると今回は成長したと言えるだろう。
転倒ジャンプにしても、4回転は認められており、減点はされてしまうが、転倒しなくてアンダーを取られるよりは点数を確保出来ている。
(もちろん転倒による減点1はあるが)
かように技術点においてはチャンとの差はさほどにないのだが、演技構成点という曲者で、どうしようもないほどチャンに差をつけられてしまうのだ。
技術点については、仮に羽生が1本目4Sを成功させていれば、今回の87.28に基礎点だけでも10.5がプラスされて97.78点となり、チャンの100.25に肉薄出来る。
しかし演技構成点のみで15点近くも差が出てしまうというのではたまった物ではない。
チャンの演技に文句をつけるつもりはないけれど、ジャッジのさじ加減が大きく点数に反映される演技構成点の差が、最終的な順位に大きな影響を及ぼしそうな現状はいかがなものかと考えてしまうのだ。
極端な話、戦う前から演技構成点の最低ラインは選手によって底上げされている・・・ように思ってしまう。
今に始まった事ではないけれど・・・。
まあ、それは別にしてチャンが他の選手を圧倒する仕上がりを見せている事は間違いない。
これがこのままオリンピックにつながるかと言えば、断言できない所にオリンピックの怖さがある。
ファイナルならばチャンが優勝する確率は限りなく100%に近い。
しかしオリンピックには魔物が住んでいる。
チャンはバンクーバーの後の世界選手権は3連覇。
ソチは金確実という感じだ。
これが怖い。
本当は浅田にも同じ事が言えるんだが、浅田には何が何でも金を取って欲しい。
GPシリーズも残す所後1戦。
ソチオリンピックまで、あと81日!