GPファイナル男子シングル。
羽生結弦が見事な優勝を飾り、ソチ行き切符の予約を完了した。
それにしても、チャンも驚くハイパーな得点。
羽生自身があまりの高得点に「正直ちょっと違う」とギャップを感じたようだが、最近は確かに得点がインフレ傾向である事は間違いない。
しかし、いくらインフレ傾向といっても、ここはGPファイナル。
チャンも同じ土俵だ。
現実にチャンを破っての優勝はソチに向けては大きな自信と審査員への強烈なアピールになっただろう。
チャンも羽生の得点に驚きの様子だったと聞くが、例によってプロトコルで比較して見る。
だいたい、エリックボンバールの時に書かせて頂いたが、構成を見ると、失敗さえしなければ、元々チャンを上回る内容なのだ。
ボンバール杯では最初の4回転を全く跳べず、2本目も転倒。
今回は最初の4回転こそ転倒したが、回り切っていての転倒。
2本目は2.29という高いGEOが出る程の見事なジャンプ。
こうなると、チャンも組入れていない、トリプルアクセルとの連続ジャンプを2本も後半に跳ぶ羽生が有利だ。
実際この2本で29.35点を獲得している。
最後スタミナが切れかけてスピン途中で倒れてしまうのではと思ったが何とか滑り切った。
演技構成点でもチャンから遅れること僅か3.10点まで詰める事が出来た。
ネームバリューが物を言う演技構成点において羽生はチャンと並ぶ位置を手に入れたと断言して良いだろう。
間違いなくソチの金メダル有力候補の、いや、現時点ではチャンか羽生かという所まで駆け上がってきたと言う事だ。
こうなると残る代表2枠を誰が射とめるのか。
今回のGP優勝で、事実上ソチの代表は決定だ。
あとは全日本。
高橋、織田、町田、小塚、無良から二人。
GPで失敗した選手も全日本で優勝すれば“決定”だ。
代表をめぐる熱き戦いはまだまだ続く。