前日、今季復帰初戦のゴールデンスピンSPで早くも高得点を出して健在ぶりを示したキム・ヨナ。
続くフリーでもどうやら上々の滑りを見せてトータル204.49という初戦としては高得点で優勝を飾ったようだ。
SPと同様にプロトコルから各エレメンツを見ようと思う。
まず、驚いたのは、私、失敗はしないので状態と思われた冒頭の3回転3回転の連続ジャンプで転倒してしまった事。
ここでいつもなら12点近く点を稼ぐのに3Lzの単独ジャンプ扱いとなり、GOEでも引かれて3.90という低い点しかもらえなかった。
それでもSPとの合計でいとも簡単に200点超えのハイスコアが出たのはどういう要因があるのだろうか。
例によってSP同様、キムヨナが優勝した世界選手権とエレメンツを比較して考えてみる事にする。
ゴールデン 世界選手権
1.3Lz 3.90 3Lz+3T 12.00
2.3F 6.42 3F 7.20
3.3S+2T 6.20 FCCoSp4 4.50
4.FCCoSp4 4.40 3S 5.60
5.StSq3 4.30 StSq4 5.30
6.3Lz+2T 9.15 3Lz 8.40
7.2A+2T+2Lo 7.64 2A+2T+2Lo 7.83
8.3S 4.62 3S+2T 7.35
9.LSp3 3.20 LSp3 3.47
10.ChSq1 3.54 ChSq1 3.60
11.2A 4.23 2A 4.77
12.CCoSp1 3.00 CCoSp4 4.71
合計 60.60 合計 74.73
奇麗な表を作れなくて申し訳ないがお許しを願いたい。
ちなみに、演技構成点は今回のゴールデンが71.52点、世界選手権が73.61点とほとんど差がない。
技術点では14点近く差があるのに、演技構成点で高い点が出る。
他の投稿記事にも書かせていただいたが、キムヨナは現在も別格扱いと言ってよい。
簡単に言えばフリーの技術点の割に高得点が出たのは演技構成点が高かったからと言って差し支えないだろう。
演技構成点はとりあえず置いといて・・・、技術点で見ると、スピン、ステップでレベルがとれていない。
久々でスタミナに問題があったのか、冒頭のジャンプの失敗が精神的にも体力的にも影響を与えたのかわからないが、6本目のジャンプでしっかりと3Lzに2Tを組み込むなど最低限のリカバリーは行っている。
いずれにしてもここからキムヨナが調子を上げていって、技術点で10点以上上積みする事になれば、とんでもないハイパーな合計点になる可能性はある。
浅田にとっては依然として脅威ではあるが、フィギュアスケートという性質上、自身でベストの滑りをするしかないのだ。
そういう意味において、オリンピック本番では歴史に残る競演を見せて欲しい。