何と言う清々しいインタビューだったろう。
上村愛子がかみしめながら話すひとつひとつの言葉には、彼女だからこその思いがあふれていた。
掛け値なしの素晴らしい滑りだった。
順位はまたも4位とメダルには届かなかった。
しかし彼女の表情はトリノ、バンクーバーとは全然違う晴れやかなものだった。
決勝で最初に滑った上村の滑りは本当に素晴らしかった。
攻めに攻めて滑り下りてくる。
足も開かない。
2種のエアも決まりスピードも乗って30秒46でゴール。
モーグル独特の滑走後順位順に並ぶエリアに残り3人までトップの位置にいた上村。
今度こそメダルを!の思いも届かず、最終はまたも4位。
最終滑走ハンナカーニーのバランスが大きく崩れ、もしかして!の願いも届かなかった。
しかし、結局タイムは決勝6人の内でトップだった。
いかに果敢に攻めたかの証明だ。
上村自身も試合後のインタビューで、「こういった何本も滑れるオリンピックは初めてだけど、全て満足いく内容の滑りが出来て、最後までメダルを争える位置に戻ってこれた事が嬉しい・・・」と話していたように、その果敢な滑りは称賛される内容だった。
メダルが取れなくても、それを超越した集大成の滑りが出来た事の満足感。
それを上村自身だけでなく、応援していた我々も感じ取る事が出来た。
これは素晴らしい事だと思う。
「オリンピックはいい思い出・・・」
この境地に至る事が出来て、見ている私も本当に清々しい気持ちだ。
オリンピック最後に集大成の滑りを見せてくれた上村選手には心からお疲れ様と言いたいし、それを見る事が出来て、晴れやかな気持ちにさせてくれた事に心から感謝したい。
上村選手、ありがとう!