メダルを期待された日本は決勝進出5カ国中5位。
この結果をどう見るかは人それぞれだが、個人的には欧米が非常に強い競技の中、アジア勢の日本が決勝に進んだだけで充分意義があると思っている。
ただ、今回の団体戦を見て感じた事がいくつかある。
まずロシアだが、開催国、フィギュア王国のプライドにかけて金を獲りに来ていた印象だ。
それにしてもロシアのファンはもう少し他国の選手にも敬意を払う必要があるのではと感じた。
これはテレビを見た印象だけなので、間違っているかもしれない。
確かにプルシェンコもリプニツカヤもペアもアイスダンスも素晴らしかった。
リプニツカヤの15歳とは思えない心の強さには心底驚いた。
ボロソジャー、トランコフ組のペアSPは感動して、過去の同じプログラムのユーチューブを20回近く見てしまった。
プルシェンコの圧倒的な存在感にも感服したし、ロシアの底力を見せつけられた感じだ。
だが他国選手の素晴らしい演技には、何だろう・・・無関心とまでは言わないが、ほとんど会場が湧かなかった印象だ。
日本はどうかと言えば、もちろんベストを尽くして少しでも上位に行ければと考えていただろうが、見ていると雰囲気にのまれ、力を発揮できていない選手が多かった。
結果として個人戦に向けてのトライアルのような感じになってしまった。
それはそれで意義があり、一回本番を経験した事で、個人戦は上積みがあるだろう。
これでメダルが量産出来れば、団体戦は別の意味で良かったと言えるのかもしれない。
ただ、羽生だけは持っているポテンシャルを見せつける事が出来ていた。
本人はまだまだ出来る事があると言っており、甘い笑顔の印象と全く違う強靭な精神力には驚かされる。
プルシェンコもチャンもみんなまとめて過去の王者を置き去りにしてしまう。
そんな凄さを感じ取る事が出来た。
いずれにせよ、(今はまだシングル主体だが)日本選手の層の厚さは異彩を放っており、今大会で多くの選手が引退するが、強化方法は間違っていないと確信するので新しい選手が次々と育っていく事に期待したい。
その他の選手ではコストナーのV字回復ぶりが感動ものだった。
この大会前に変更したというSPは素晴らしかった。
これで完全に生き返った感じで、個人戦でまた一人強敵が増えた印象だ。
最後に競技スケジュールについて。
今回は団体戦を先に行ったが、選手の目標は何と言っても個人戦だ。
今後も団体戦を行うなら、先に個人戦、最後に団体戦の方が良い。
まず個人戦に合わせてピーキングを行い試合に臨み、その後選手の出来や体調を考えて団体戦を戦う方が、よりチームとしての力が発揮出来るように思うんだがどうか。