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センバツ高校野球・おけいはん決戦に今後のチーム作りが見える

春、センバツ高校野球は35年ぶりの近畿勢同士、京都、大阪のおけいはん決戦となったが、近畿大会優勝校龍谷大平安が春初優勝を飾った。

必ずしも地元の球児という訳ではないが、久方ぶりに近畿勢が強い所を見せた大会だった。

極端に言えば、ベスト4全て近畿勢でもおかしくはなかったと思う。

それほど今センバツの近畿代表校は理想的だったのだ。

今日の決勝戦のポイントは、3回の履正社の攻撃、ノーアウト1,3塁の絶好期に点を取れなかった事に尽きる。

前日完投勝利の高橋から早めに元氏にスイッチ。

この継投に対し、履正社はセーフティスクイズ失敗などもあってこの絶好期に得点できなかった。

この場面やや不振とは言え4番にバントを命じた事の是非を問う声もあるだろうが、犠打でチャンスを広げる野球が信条の履正社なので致し方ないだろう。

さらに8回のチャンスも平安の投手スイッチが見事にはまり得点できなかった。

結果、プロ野球並の継投策を講じた平安が見事紫紺の優勝旗を手にしたのだ。

この両チームに共通するのは、複数の投手を使い分けている事だ。

昨年の安楽の例を見るまでのなく、一人のエースで甲子園を戦い抜くのは近年益々困難を極める。

エースの酷使により、将来性を奪ってしまう事も言われている昨今、いまだに一人のエースを酷使する高校が多数存在するのは事情はどうあれ問題だ。

今大会もエースが、連投で疲労がたまり力尽きる例が見られた。

おそらくはどの監督さんも複数の投手を持ちたいんだろうが、エースの力量が抜きんでて、2番手投手との差があり過ぎる場合が多いんだろう。

仮に拮抗した力の投手を複数もっていたとしても、一発勝負の高校野球では継投のタイミングが非常に難しい。

投手交代の失敗で敗れようものなら、それこそ父兄やOBからは非難ごうごうだ。

しかし勝利至上主義の為にエースを酷使して将来の可能性をつぶしてしまうようでは指導者としては失格だ。

時代の流れは決定的なのだ。

これからの高校野球の指導者は、最初から複数の投手を育てていくようなチーム作りをしなければならない。

間違ってもエースに過酷な連投をさせてはいけないのだ。

松坂が横浜のエースだった時、PL学園戦で園長17回を投げぬいた翌日、渡辺監督は、準決勝の明徳義塾戦に松坂を先発させなかった。

あの采配は選手の事を第一に考えた起用に他ならない。

センバツ桐生第一も再試合を制した翌日には、山田を先発させなかった。

こういう配慮が見られなかった場合はWBCのような投球制限規定を設ける事を考えていかねばならないだろう。

エースの連投がなくなるように、変わっていく事を願う。