井岡が3階級制覇に挑んだIBF世界フライ級タイトルマッチが行われました。
どうも戦前は井岡選手の勝利と見る人が多かったように思います。
実は私もその一人で、ここは単なる通過点と思っていました。
ところが1R開始早々。
チャンピオン、アムナット・ルエンロエンの左ファーストパンチ。
これが、実にシャープでした。
スピード豊かでグーンっと伸びてくる。
正直この瞬間嫌な予感がしました。
それでも、苦戦はするかもしれないが負ける事はないだろう・・・。
そう思ってました。
ところが井岡は警戒したのか、様子を見たのか、ガードを固めて4Rまでほとんど手を出さず、逆にルエンロエンのアッパーやらジャブやらを浴びてしまいます。
これがかなり重そうなパンチ。
中盤以降、ようやく井岡もパンチを繰り出しますが、続きません。
手数がとにかく少なすぎます。
逆にルエンロエンはガードの上からもバンバン打ってきます。
時折ガードの隙間から強烈なパンチを井岡に見舞います。
突然飛んでくるアッパーも怖い怖い。
とにかくジャッジに対して印象が悪すぎます。
井岡!どうした。
ルエンロエンは見かけと違って上体がとても柔らかかったです。
井岡がパンチを見舞ってもダメージを受けるようなもらい方をしません。
とにかく老獪。
パンチを打つと身体をあずけてくるし、クリンチも上手かった。
井岡は最後まで攻めきれませんでした。
効いたパンチをただの一発も当てる事が出来なかったと思います。
試合は判定となりましたが、どう考えても井岡初黒星という状況でした。
しかしそこは何と言ってもTBS。
結果が出るまではわからない。
最初のジャッジが読み上げられます。
114対113・・・・・・井岡!
ルエンロエンの顔が「信じられない」という表情になったのがはっきりとわかりました。
私も、嫌な予感が・・・。
しかし、後の二人は共にルエンロエンの勝利とジャッジしていました。
2-1ルエンロエンの防衛成功。
井岡3階級制覇ならず。
残念な結果になってしまいましたが、ちょっと身体がまだフライ級のそれになっていませんでしたかね。
しばらく井岡には、ちょっとビッグマウスだった事に対してバッシングがあるかもしれません。
しかし、世界の多くのスーパースター達は敗戦を経て、その座に君臨するようになりました。
ルエンロエンは圧倒的な強さで勝利するタイプではありませんが、負けないボクサーでした。
世界にはいろんなタイプのボクサーがいます。
本当に世界は広い。
この敗戦を糧にして、やり直せば、井岡にはまだいくらでもチャンスはあるでしょう。
いろんな呪縛から解き放たれた井岡選手の今後の成長を見守っていこうと思います。
アムナット・ルエンロエン13戦13勝(5KO) 井岡15戦14勝(9KO)1敗