まず初めに今年の大阪大会ベスト4の対戦カードを記させていただくと。
見事なまでの新旧甲子園常連組代表決定戦の趣きでした。
この10年、大阪桐蔭は春5回、夏5回、履正社は春6回、夏1回と毎年のように出場しているのに対して、
PL学園は春、夏共に2回のみで2010年以降出場がなく、関大北陽に至っては2007年春1回のみの出場です。
履正社は今年の春全国準優勝、大阪桐蔭は2年連続夏の選手権出場、今春の近畿大会で優勝。
こういった事からも履正社対大阪桐蔭戦が事実上の決勝戦と言われたのも無理からぬ事だったのです。
そして迎えた大阪大会決勝は大阪桐蔭対PL学園。
一世を風靡した新旧強豪対決となりました。
結果はご存知の通り9対1という大差で大阪桐蔭が3年連続甲子園への切符を手にしました。
PL学園の先発は準決勝では登板のなかった背番号11の山本投手。
PL学園は3人の投手でここまで勝ちあがり、山本君がどこまで大阪桐蔭を抑えられるのかがポイントでしたが、2回に早くもつかまってしまったのは残念でした。
それほどまでに大阪桐蔭の集中力が凄かったという事です。
2番手に昨秋までエースナンバーをつけていた谷君、3番手にエース渋谷君と繋ぎましたが、打線が大阪桐蔭先発田中投手を捉えられずに無念の敗退となりました。
大阪桐蔭は昨年秋季大会の大阪大会で準々決勝で履正社に大敗して近畿大会に出場出来ず、出遅れ感がありましたがさすがに立て直して代表の座を射止めました。
主力選手には甲子園を経験している者も多く、投手もエース福島に、決勝で投げた田中と2枚の完投能力を持った投手がおり甲子園でも堂々の優勝候補でしょう。
敗れたとはいえPL学園も頑張りました。
昨年夏は相次いだ部員間暴力行為で出場辞退しており、監督も退任。
その後監督が決まらず、何と校長先生が監督をする異常事態に。
ほとんど野球経験のない校長先生が監督というのは指導者の影響が大きい学生野球では、とてつもなく大きなハンデです。
しかし生まれ変わったPL学園は秋季大阪大会で準優勝、春季大阪大会ベスト4と安定した力をつけて、甲子園まであと1歩の所までたどりつきました。
校長先生はまとめ役に徹し、選手達が自分たちで考えてチーム作りをしてきたと聞きます。
自主性と簡単にいいますが、彼等は大変な苦労をしてきたんでしょう。
無視できないOBの声もあったに違いありません。
校長先生だからこそ、そんな彼らを守ってあげる事が出来たんでしょうね。
この経験は今後の人生に大きなプラスになるでしょう。
あとは監督を早く決めなければなりません。
暴力事件の根っこにあった行きすぎた先輩後輩の絶対的上下関係。
改革によってようやく芽吹いた考える力。
それらを継続してなおかつ強いチームを作り上げていける人物。
私は桑田氏しかいないと思うんですけどねえ。