今年も世界柔道が始まりました。
昨年は女子が金メダル「ゼロ」という屈辱を味わいましたが、今回初日にお家芸の48Kg級で19歳の新星近藤亜美選手が見事に金メダルを獲得しました。
衝撃的でした。
何しろ、元気ハツラツ!攻める攻める!
3回戦で前回大会優勝で世界ランク1位ムンフバトを臆することなく攻めて早々に投げて有効。
その後も消極的になることなく、攻めの姿勢を忘れず、ムンフバトが絞めに入ろうとするのを何とかしのぎ切ると、そのまま時間切れ。
最大の難敵を破った近藤は続く準々決勝、準決勝、決勝では相手を圧倒して、見事に初出場初優勝を飾りました。
素晴らしかったですね。
コンディショニングが最高に上手くいった事もあるでしょうが、若さあふれる戦いは正に新星誕生の瞬間でした。
男子は前回優勝で、子供の頃に夢としてオリンピック5連覇、国民栄誉賞と書いた、ヤンチャな徳永英明といった風貌の高藤直寿選手。
しかし柔道の神様は今回高藤に試練を与えました。
1回戦で前歯を折るアクシデント。
しかし実力的には誰もが認める世界一。
その後順調に勝ち進んで迎えた準決勝は地元ロシアのムドラノフ。
この日ムドラノフはここまで全て1本勝ちでした。
試合はムラドノフが投げ技を放ちリードを許します。
しかし高藤の投げが炸裂!1本か・・・と思われましたが主審がコールしません。
しばらくして技ありと判定。
ところが、それが有効に変更。
視線がさまよう主審。
何だこのおどおどした審判は!
それでも同点に追いつき、これで大丈夫と思ったその時、再び高藤の投げ炸裂!
よっしゃ!
えっ・・・有効?
それでもリードだ!これで大丈夫・・・と思ったら、またまた判定変更で今度は取り消し。
なんだよ、今のがポイントなし!?
とんでもないアウェーの洗礼。
これでは相手の背中を畳にめり込ませて身体と同じ穴をあけないと一本にはならないんじゃないかって思ってしまいました。
そうこうしている内に高藤が自分から場外に出たとの事で指導を受ける。
指導は今年から相手のポイントにはなりませんが、同点で試合が終了した場合は指導の数で勝敗が決まります。
えっ!このまま終われば高藤敗退!?
結局試合はこのまま終わりました。
ひどい判定・・・。
高藤の2連覇はアウェーの先例により消滅してしまいました。
しかし高藤は3位決定戦で先に技ありを取られますが、意地の逆転一本で銅メダルを確保しました。
試合後のインタビュー。
「銅メダルなんて久しぶりに見ました」
「この銅メダルは今後の為には貴重なメダルになります」
アナウンサー「応援している方にとってもこの銅メダルは忘れられないメダルになりますね」
「忘れてください・・・」
高藤直寿、相当面白い男です。