思い出すのは北信越勢の大活躍。
その北信越勢の1校、石川県星稜高校は県予選決勝で8回まで0-8と大量にリードされながら9回裏奇跡の大逆転で甲子園切符を手に入れたのは記憶に新しいところです。
その決勝の相手校だった小松大谷。
最終回を迎えて8点リードですから、勝利を意識するなという方が無理です。
選手、応援団、学校関係者、全ての人たちの心はすでに甲子園へ飛んでいたとしても不思議ではありません。
何しろ、あとアウト三つ取れば良かった訳ですから。
それが結果は・・・。
今日NHKで、その後の彼等を追いかけた特集を見ることが出来ました。
当時の映像。
9回裏最後の守りに就く、自信にあふれたナイン。
すでに心は甲子園。
応援団も29年ぶりの甲子園を信じて疑わないような盛り上がりでした(前回出場時は北陸大谷高校名)
それが、星稜打線が爆発し次々と得点を重ねられ、ナインに見える焦りの色。
投手からも表情が消えます。
結果はあまりにも残酷でした。
試合後の挨拶も心ここにあらず。
選手たちはどこにぶつけていいのかわからない怒りを内包し、思い思いに列から離れて行ったのです。
その後新チームになって、部室には思い出したくないはずの決勝戦のスコアが貼られていました。
当時もキャッチャーをしていた新キャプテンはその試合、自身の最終打席を振り返って、そのふてくされた態度が逆転につながったと考えていました。
スタンドで応援していた現在のレギュラー選手は、「勝ったと思った事が敗因。スポーツは最後まで何が起こるか分からないのに」と振り返っていました。
選手たちは、あの9回裏、追いつかれてきた時に誰もマウンドに行かず、投手を孤立させてしまった事も反省していました。
そういった多くの反省を元に練習では各自が思った事を大きな声で表現し、気づいたことはその場でアドバイスする事を実践するようになりました。
あの敗戦でチームは大きな成長を遂げたのです。
この特集を見て、選手達はあの試練を糧にして確かな成長を遂げつつあるのだと感激しました。
人間にはかくも試練を乗り越えていく力が宿る物なのだと思いました。
3年生たちにとっては、思い出したくない悪夢だと想像するんですが、後輩達の乗り越える力を目の当たりにすることで、その思い出は年月を経て違う形に変化していくと信じたいです。
その新チーム。
センバツ甲子園出場校決定の重要な資料となる秋季北信越大会の出場校を決める石川県大会。
昨日の日曜日、3位決定戦で金沢高校とのルーズベルトゲームを制し貴重な勝利を挙げることが出来ました。
今年の北信越大会は石川県開催の為開催県4校出場の恩恵でベスト4になった時点で北信越大会出場なんですが、接戦を制して勝利した事が彼等の成長を感じさせてくれます。
強豪集まる北信越。
結果はわかりませんが、小松大谷の選手たちは心を含めた人間としての成長をそれぞれが実感出来ているのではないでしょうか。
それは甲子園に出場すること以上にもしかしたら大切なことなのかもしれません。
北信越大会での健闘を祈ります。