羽生のこんな姿を見るのはいつ以来でしょう。
ほとんど記憶にないようなミスの連続。
キスアンドクライでの羽生は顔面蒼白で脂汗をかきながら、それはもう自分の失敗に対して大変な事をしてしまったという気持ちが表情に出ていました。
今季初めて披露したSPはそれはもう想像を上回るものすごいプログラムでした。
前半、美しいラインを描きながらもなかなかジャンプを跳ばず、そのまま優雅な姿勢からのトリプルアクセル!
その後も優雅さを失わず、まるでジャンプを跳んでいないようなスケーティング。
そこからがまた凄い!
ジャンプをなかなか跳ばないプログラムで2種類のスピンをはさんできます。
鳥肌が立ちました。
もう何と言うか過去のプログラムを超越した内容に息を止めて見入っていました。
後半はご覧の通り、4回転が3回転になり連続ジャンプが抜けるというまさかの失敗。
羽生史上最低傑作のような事になってしまいました。
しかし物凄いプログラムである事はわかりました。
早く完璧なこのSPを見たい!
そう思いました。
昨年の「パリの散歩道」のようなロック調で勢いに乗って滑り切るのとは全く違う今年の格調高く美しいSP。
継続路線で王者を守ろうと思えば羽生程の選手ならばそうは難しくないでしょう。
しかしより高みに挑戦するその姿勢が彼の凄い所です。
SPの失敗は、より高い誰も挑戦できないような所を目指すがための一里塚と言えるでしょう。
間違いなくこのSPは昨年の史上最高得点を上回ります。
まずは今日のフリー。
羽生、自らへの怒りの演技が注目です。