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内山は偉大な王者だが、三浦との再戦は相当なリスクを負わなければならない

WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ。

王者三浦“ボンバー”隆司が挑戦者同級1位エドガル・プエルタに6Rノックアウトで勝利し3度目の防衛に成功しました。

これで世界奪取の試合を含め4連続メキシカン相手に勝利と言う事で、ボンバーレフトの名は益々世界に轟くでしょう。

何と言っても世界を驚かせたのは初防衛戦。

敵地メキシコに乗り込んでメキシコのホープ、セルヒオ・トンプソンに文句のつけようのない勝利を挙げた事は記憶に新しいです。

あの時の評判はトンプソン圧倒的有利(地元という事もあるが)で現地メディアはトンプソンが王者になるのがあたりまえって感じでした。

正に三浦はアウトオブガンチュー(古っ!)状態。

しかし、三浦はそのボンバーぶりをいかんなく発揮し、トンプソンからダウンを奪い、後半自らも被弾しましたが、誰が見ても三浦の勝利というスーパーファイトを見せてくれました。

敵地カンクンの試合だからこそ2-1のスプリットでしたが3-0で当然の内容でした。

その後2位ダンテ・ハルドンを倒し、今回トップコンテンダー、プエルタに強烈なパンチをお見舞いして勝利した訳です。

最後のKOシーン、三浦のド迫力な攻撃には思わず前のめりになってテレビにぶつかりそうになるほどの興奮で香川照之になりそうでした。

こうして防衛を重ねてくる間に、ただの荒々しいファイターではなく良い方向に洗練してきたような感じを受けました。

以前はパンチを叩きこむけど自らも結構もらうようなイメージがありました。

とにかく11カ月ぶりというブランクを感じさせない快勝で大きく展望が開いた事でしょう。

さてスーパーフェザーと言えば日本が誇るもう一人の世界王者内山高志

8度の防衛を誇る偉大なチャンピオンです。

今年も大みそかに防衛線を行います。

その試合が昨年の大みそか以来1年ぶりの試合。

三浦が(本人の実力もあるが)メキシカン相手に3試合出来て勝っているのに比べ、どうも最近マッチメイクに恵まれていないようです。

彼も今月35歳になりました。

試合数が22戦と少ない物の、年齢による衰えは望まざるともやってきます。

大晦日でのペレス戦で勝てば西岡利晃氏に次ぐ高齢防衛となりますが、その戦いぶりに注目したいです。

内山も防衛線をクリアすれば(すると信じています)来年は三浦との統一選が現実味を帯びてきます。

過去の対戦では三浦にダウンを奪われ、かなりのダメージを負い、なおかつ右手を痛めながら左ジャブを当て続け、三浦の目が腫れあがり試合続行不可能となってTKOで勝利しました。

三浦からすると強烈なパンチを当てて、内山は完全に足にきていたのにフィニッシュ出来ず、結局内山の強さと上手さに翻弄されてしまいました。

あれから3年、その時の三浦と今の三浦は違います。

実現すれば内山も相当の覚悟を持って戦わなければなりません。

しかしラスベガスでのビッグマッチを実現する為にはメキシカンに強い三浦と戦って勝利する事が一番の近道でしょう。

逆に三浦にとっても内山をも倒す事になればさらなるスーパーファイトが待っています。

いずれにせよマッチメイク次第ですので実現するかは微妙ですが、もし実現すれば辰吉・薬師寺戦、畑山・坂本戦、井岡・八重樫戦を凌ぐスーパーファイトになる事は間違いありません。

気分的にはこれだけの名王者がどちらかいなくなるのは惜しい気がして複雑ですが、両選手の気持ちが一致するならば絶対にこの目に焼き付けておかねばと思う今日この頃です。

三浦隆司       32戦28勝(20KO)2敗2分 

エドガル・プエルタ  29戦23勝(19KO)5敗1分

内山高志       22戦21勝(17KO)1分

アウラエル・ペレス 30戦27勝(16KO)2敗1分