影無茶のスポーツ24/7

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スケートカナダオータムクラシック・羽生結弦の2015-16シーズンが始まる

GPシリーズ開幕も間近。日本のエース羽生選手がオータムクラシックで今季のスタートを切りました。先に結果を字面だけで見ましたので、優勝したとは言え先行きを不安視しましたが、映像を見るとそこには更なる進化を遂げようとする羽生選手の姿が映っていました。羽生結弦はやはり羽生結弦だったのです。

昨シーズンGPシリーズカップオブチャイナで悪夢の激突。

本当なら羽生選手の2014-2015シーズンはそこで終わっていても良かったのだと今でも思っています。

最終的に世界選手権銀メダルという、満身創痍の状態からは考えられない結果を出せたのも彼の卓越した強い思いの成せる技だったのでしょう。

しかし、ソチオリンピックでチャン選手をはじめとする他の選手達に絶望的な差を感じさせ、審判からも絶対王者の位置づけを得たのに、わざわざ無理をして出場し続け4回転を跳べなくなった印象を持たせてしまったのもまた事実。

そんな存在まで上り詰めていたのに、あえて自ら一歩降りてきた・・・そんなシーズンだったようにも思えます。

しかし、あくまで羽生選手は彼自身が選択した道を歩むことで、結果がどうであれ、それを悔いなく受け止めるのだと思うようになりました。

それが羽生の生きる道。

そして迎えた今シーズン。

冒頭に書いたように昨シーズンの影響が残っていると感じた私は限りなく不安な気持ちになりました。

しかし映像を見ながら、そんな不安がどこかに消し去っていくのを感じていました。

SPは昨シーズンのプログラムを基本的に継承。

私昨年も書きましたが個人的に魅せられてしまったプログラムです。

特にイーゼルから3Aすぐにイーゼルの美しさといったら他の選手の追随を許しません。

昨年このSPは消化不良に終わっていたので、今年こそ完璧な演技を見たいです。

フリー。

もう、これは何と言うかフィギュアスケートの域を超えて伝統芸能の舞いを見ているようです。

実際今年のフリーはその辺も意識した構成になっているようですが、美しすぎます!

観衆から手拍子が沸くという感じとは違いますが、その凛とした舞いに全ての観客が羽生選手の世界に入り込んでしまう・・・。

そんな内容のプログラムですね。

確かにSPを含めて4Tが3回共不完全だったのは気になる所ではあります。

彼の得点源である後半の二度の3Aからの連続ジャンプが上手くいかなかったのも心配です。

でもそのあとすぐ3Loからの3連続でリカバリー出来ましたし初戦としては課題も確認出来て意義ある試合だったと思います。

それにしても後半、4Tから連続ジャンプ、3Aからの連続ジャンプを2回ってことですよね。

何と言う恐ろしいプログラムなんでしょう。

ジャッジペーパーで+REPの記号も初めて見させてもらいましたが、そりゃあこれ完璧に跳べたら誰も追いつけません。

今年の最大目標である世界フィギュアでどんな完成形を見せてくれるのか。

壁を超えたらそこにはまた壁があった。

羽生選手が語ったこの言葉。

今、彼の前にはどれほどの壁がそびえたっているのでしょう。

しかし、彼なら必ずこの壁も乗り越えてくれると思います。

応援しながら見続けて行きます。