残りの対戦相手と星二つの差を考えると優勝はもう間違いありません。
場所前、注目は稀勢の里の綱取りで、白鵬が休場した今場所、可能性はグンと高まった・・・はずでした。
ところが初日にまさかの黒星。
国技館内の何とも言えない空気はかつてない物でした。
大器がいよいよ花開いたと騒がれ始めた7日目。
豪栄道と全勝同士の対戦が組まれ、これを制した豪栄道が俄かに脚光を浴び始めたのです。
それでも半信半疑の目で見ていた人は多かったでしょう。
豪栄道もすぐに・・・らしさ・・・を出してくるだろうと。
ところがほんとに神ってるという言葉がぴったりの快進撃。
13戦全勝。
優勝にいよいよ王手!です。
考えてみれば豪栄道という力士。
大関昇進の時も場所前は話題にもならなかったのに終盤、突然昇進チャンスが生まれ大一番に勝利しました。
ところが昇進後の不甲斐ない成績は皆さんも知る所。
先場所までの大関在位12場所は
8勝7敗(5回・不戦敗、休場含む)
9勝6敗(2回)
負け越し(4回)
二桁勝利は僅か1回
何と言うていたらく。
1度だけ今年の春場所白鵬と並走していましたが12日目その白鵬に敗れてしまいました。
その後は再び・・・らしい成績。
と思っていたら今場所突然の開花で、白鵬がいないという絶好のチャンスを物にしました。
こうして振り返ると豪栄道のワンチャンスを物にする勝負強さには驚くばかりです。
持って生まれた運なのでしょうか。
先場所負け越していますが、来場所は綱取り場所として認められるでしょう。
少なくとも来年初場所までは綱取りを懸けた、おそらく最初で最後のチャンスとなる訳です。
過去のここ一番の突破力を見ると何かやってくれそうな予感が。
豪栄道のチャンスを物にする力を見るにつけ稀勢の里のここ一番での勝負弱さは悲しくなってしまいます。
先場所までの大関在位28場所で
二桁勝利21回(10場所連続含む)
9勝6敗(6回)で8勝7敗はゼロ。
負け越しは僅か1回。
28場所中準優勝10回。
大関成績296勝124敗、勝率7割超。
実に堂々たる成績です。
それに対して豪栄道のそれは
93勝86敗1休、勝率5割1分6厘。
何だかなあ~って思ってしまいます。
しかし3横綱は既にピークを過ぎており、衰えを感じさせない稀勢の里にはまだまだ綱取りのチャンスは巡ってくるでしょう。
次に来るチャンスは絶対に物にして欲しいと願う今日この頃です。
※文中の数字は相撲レファレンスを参照致しました。