初挑戦久保隼が10回終了後チャンピオン、ネオマール・セルメニョの棄権によりタイトル奪取に成功しました。
久保はここまで11連勝無敗。
対するチャンピオンは何度も世界戦を経験し、あのクリスチャン・ミハレスにも勝っているつわものです。
試合は久保が常に自分の距離で戦い右のジャブを出し続け、効果的に左ストレートを顔面にヒットさせるなど基本的には久保優位で試合を進ることが出来ました。
対するセルメニョは右のロングフックを振り回してくるワイルドなボクシングで、左、右とブン回してきます。
こういう選手はほんとに怖いです。
一発当たると大きなダメージを受けてしまいます。
久保は決してセルメニョに対して身体の正面を向けず半身の体制で右のジャブを出し続け相手を懐に入らせません。
接近戦になるとボディを見舞ったりクリンチなどで相手のペースにさせません。
ところが7R、ついに相手の重いパンチをもらってしまいダウン。
このあたりのパンチのもらい方や倒れ方などはジムの先輩長谷川氏が負ける時と同じ雰囲気でかなりヤバかったです。
あと30秒あればとどめを刺された感じもありましたがゴングに救われましたね。
ところがセルメニョも攻め疲れからかフィニッシュに持ち込めず、逆に8R後半から久保がペースを取り戻しはじめ、9Rには完全に6R迄の状態に戻りました。
セルメニョは一発KOを狙ってパンチを繰り出しますがやや単発気味になり時折久保を捉えますが、久保も変わらずジャブからストレートで顔面とボディにヒットさせます。
そして迎えた11R。
セルメニョがコーナーから立ち上がって来ません。
場内騒然となるなかレフェリーが何度も確認して試合終了を宣言。
久保新チャンピオン登場となりました。
セルメニョの顔面は久保のストレート被弾の影響で傷を負ってましたし、効果的に攻められたボディ、そして自らの攻め疲れ。
聞くところによれば減量が難しかったようで棄権もやむを得なかったんでしょう。
久保の戦いぶりは改めて「あしたのジョー」その1 攻撃の突破口をひらくため、相手の出足を止める為小刻みにパンチを打つこと、その2 ジャブで敵の体勢を崩し突破口を見いだせばすかさずストレートを打つべし、これ拳闘の基本なり・・・との丹下段平のハガキをの素晴らしさを確認する事が出来ました。
ただ今回は多分にツキがあった事は否めず、久保に対する評価という物は次回の試合を見てからという考えも成り立つのではないでしょうか。
それにしてもこの試合を実現させた久保サイドのマッチメイクは、セルメニョの希望もあったのかもしれませんが見事だったと思います。
久保 隼 12戦12勝(9KO)
ネオマール・セルメニョ 34戦26勝(15KO)6敗1分1NC