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フィギュアスケート Road To 平昌  ロステレコム杯 まとめて感想

GPシリーズが始まって本格的なオリンピックシーズン幕開けといった感じです。

まずはロステレコム杯

結果から。

と、ここでごめんなさいを、どうしても99%男女シングルについての記載になることお許しください。

もちろんアイスダンスは大好きでペアも好きですが、いずれはということで。

〇男子

             ポイント   TES(SP+F) PCS(SP+F)

1位 ネイサン・チェン  293.79   162.42    131.37

2位 羽生結弦      290.77   150.78    140.99

3位 ミハイル・コリヤダ 271.06   142.46    132.60

4位 ミーシャ・ジー   255.33   128.78    126.55

5位 クヴィテラシビリ  250.26   135.61    115.65

参考 デニス・テン    214.35    92.81    124.54

〇女子

             ポイント   TES(SP+F) PCS(SP+F)   

1位 メドベージェワ   231.21   118.04    114.17

2位 コストナー     215.98   106.02    109.96

3位 樋口新葉      207.17   105.63    101.54

4位 ラディオノワ    195.52    93.05    103.47

5位 坂本花織      194.00   101.05     93.95

ポイントはSPとフリーの合計得点ですが、横の二つの数字は技術点と演技構成点のそれぞれショートとフリーを合計した点数です(合計があわないのは転倒による減点があるためです)。

こうすると選手ごとの演技構成点と技術点のバランスや不思議さなどが見られると思いこのようにしました。

男子は初戦からネイサン・チェンと羽生結弦が顔を合わせるということで盛り上がりましたが、まだシーズン序盤。

必要以上に相手を意識する段階ではありませんが、チェンも羽生も周りに乗せられることなく冷静なスタートが切れたと思います。

今はまだ自身の状態をチェックすることの優先順位が高く羽生の試合後のインタビューを聞いてもそれは明らかです。

(本音の部分では勝ちたいのは当然あるでしょうが)

ただチェンとしては平昌で羽生に勝つためには作戦が必要でしょう。

立場的にはチャレンジャーなのですから。

平昌迄に2人の対戦は普通に考えればあとGPファイナル1試合だけということになります。

ファイナルでチェンは羽生にプレッシャーを与える為最高難度の構成で挑んでくると思います。

羽生が今年の最終形で挑んで成功した場合にTESの差がどれくらいあるのか。

普通に考えればチェンのほうが基礎点は高いでしょうから、お互いミスなく滑った時、羽生が得られるPCSの優位性で逆転出来るかどうかというのはひとつの見方に成りえると思います。

お互いにミスなく滑った場合ポイント合計で上位にくる確率が高いとなれば精神的には優位に立てます。

チェンとしては本番までの最後の対決で最高の演技を羽生陣営に見せるため、かなりのレベルまで仕上げてくるかもしれません。

ただ、これはどの選手にも言えますが、GPファイナルから平昌までには2カ月あるので、ここにピークを持ってこない戦略もあるわけでこればかりは何とも言えませんね。

あくまでオリンピックで金メダルを取ることが最終目標なのですから。

デニス・テンが良くなかったですね。

ジャンプが全くでした。

感覚が戻っていないのか故障の影響なのかわかりませんが次のフランス国際でどこまで戻っているのか心配です・・・。

女子については1位から3位までSPもフリーも全く同じ。

すなわちメドベージェワ、コストナー、樋口上位3選手が順位通りということで、ありそでなさそでウッフ~ンという結果でした。

メドベージェワについては今季初戦オンドレイネペラからフリーを変更したことが話題になっています。

個人的にはオンドレイネペラのフリー好きだったんですけどね。

面白みがない、感動しないとの声をチラホラ聞きますが(それは今回のロステレコムの演技を見ても同様の声を聞きます)個人的には全くそう思えず、メドベージェワの演技を見ていると、何と言うのでしょうか、言葉では言い表せないような独特な感覚に陥ってしまいます。

演技中に手拍子をしたりとか観衆を巻き込んで一体となる演技ではありませんが、すべての観衆が魅入ってしまってメドベージェワの世界に入り込んでしまう。

それでもって演技が終了して日常の世界に戻って感動の拍手を送り続ける・・・って感じでしょうか。

変更後ではオーソドックスに最初に3回転の連続ジャンプを持ってきました。

その後にやや苦手のルッツ。

変更前ではアクセルだけ前半に跳んで残る6本のジャンプを全て後半に組み込んでいましたからかなりの変更です。

最後のアクセルでまさかの転倒がありましたがご愛敬ですね。

こけてから立ち上がって演技に戻るまでがこれがまた早かった。

けっこう派手な転倒だったんですが。

北の湖を思い出してしまいました。

まあいずれにしてもこのまま平昌まで駆け抜けそうな雰囲気ですね。

2番手との差が大きすぎます。

コストナーが完全復活です。

いろいろな出来事がありましたが、順調にスタートを切ることが出来ているようです。

ティーンが女子フィギュアの中心を形成している中で30歳にして頑張るコストナー

ジャンプも切れていますし、何しろ優雅です。

本当の大人が大人の演技で魅せる訳ですから現在では唯一無二の選手と言っても良いでしょう。

十分に本番でもメダルが狙えると思います。

それほど今年の出来はよさそうです。

樋口も頑張りました。

売りのスピードも申し分なくジャンプも切れてました。

特にルッツとトウループの3回転連続ジャンプはもう少し加点があっても良いのではとジャッジペーパーを見て思いました。

1年早くシニアデビューして世界選手権も経験したことは思った以上に大きいですね。

何しろ女子枠が2なのでGPファイナルに出ることは大きなアドバンテージになります。

今回3位ですがこの3位というのが実に微妙な順位。

私が勝手に付けた名前でGPシリーズ2位と3位地獄というのがあるんですが、ファイナル進出にあたって2位と3位は一番割が合いません。

ファイナル進出はポイント上位の6選手が出場しますが、2位と3位の場合ポイントは24点。

2位2回の場合は26点で当然上回ります。

でもって1位と4位の場合、ポイントは24点で同じですが、1位優先ルールがありこの場合1位と4位の選手が上位になります。

今年の場合2戦とも優勝するのはメドベージェワ一人の可能性があります。

どこまで混戦になるかでファイナル進出のボーダーラインが変わってくると思いますが、樋口としては次戦で出来れば優勝。

最低でも2位に入ることが大切です。

しかし次に参加の中国杯

ここには何と三原の初戦、本田の2戦目、ザギトワ、トゥクタミシェワの初戦、ラディオノワの2戦目、デールマンの初戦ということで(本来ならゴールドまでいた)とんでもなくハイレベルなメンバーになっています。

う~ん、やっぱり結局女子は全日本の一発勝負になるのでしょうか。

坂本は5位。

随所に将来性を感じさせてくれましたが、上位選手に対してまだ足りない部分が見えるのもまた事実。

伸び盛りの年代であり、1試合ごとに成長する姿を見せてくれているので、今後どこまで今季のプログラムを完成させていけるかですね。

ロボットの部分が少し間延びした感じなので、もっとそれらしくメリハリ付けて(身体も休めつつ)後半に繋げていけばもっと印象に残ると思います。

次は最終戦スケートアメリカ

全日本に向けて熟成された演技を見たいです。

ではまた。