ハビエル・フェルナンデス選手。
世界選手権2度優勝、欧州選手権6連覇。
羽生が居たから僕がいた、僕が居たから羽生がいた。
ブライアンオーサーを師とする稀代のスケーター二人。
状態が万全なら羽生に何かあった時、平昌で代わりに金メダルに最も近い男は宇野でもチェンでもジンでもなくフェルナンデスであろうことは多くの人も納得だと思います。
ところが肝心なオリンピックシーズン、どうもいけません。
オータムクラシックの時点ではまだまだ先は長く、ジャンプの出来が悪くても必ず合わせてくるだろう・・・と見ていました。
GPシリーズ中国杯、まだ調子は上がらずグダグダのジャンプ。
それでも異様に高い演技構成点はフェルナンデスの存在感の高さを表していました。
ファイナル出場は成りませんでしたがフランス杯は優勝。
相変わらずジャンプの失敗は目立つ物の、上昇気配に乗せるかなと思っていました。
迎えた欧州選手権。
今や男子シングルの有力選手はアジア、北米に多く、欧州ではロシア若手の台頭はありますが、フェルナンデス1強状態と言って過言ではありません。
あとは平昌本番のみという段階まできました。
さあ、どこまで仕上がっているか!
楽しみにユーチューブを見たのは言うまでもありません。
今シーズン既に何度も聞いたフリー曲。
全てのエレメンツを成功させれば最後万雷の拍手でエンディングを迎える事が出来る曲です。
冒頭の4Tを見事に跳びます。
続く4S+3Tがこれまた素晴らしい出来栄え。
おおっ!さすがフェルナンデス!やっぱりきっちり仕上げてきた~って思いました。
ところが、その思いも束の間、またジャンプで細かいミスが出てしまいました。
やっぱりまだ完全ではなかったんですね。
しっかり優勝して6連覇の偉業は達成しましたが点数はトータル300点に僅かに及ばない295.55点。
一昔前ならかなりのハイアベレージですが、最近のインフレ点数で平昌では300点に乗せても表彰台が約束されるわけではありません。
フェルナンデスからもスカッとした表情は見られませんでした。
彼ほどの選手ですから、最後平昌本番でビシッと仕上げてくる可能性はまだまだありますが、欧州選手権を見た限りフェルナンデスは苦しい状態に追い込まれました。
1シーズンで最高の演技をどこで出せるのか。
当然ながら、それがオリンピックであることはとても大切なことです。
前回ソチでは羽生もチャンもベストな演技ではなくミスの程度の差がメダルの色を分けました。
果たして2月17日、誰がミスなく滑り、誰がどの程度のミスをしてしまうのか。
それでメダルの色が決まります。