2本目のジャンプ。
おそらく多くの人が高梨選手に思いを込めながら、テレビの前で祈りに近い気持ちで応援していたんではないでしょうか。
一人前のアバクモワが102メートルと距離を伸ばし、その時点で首位に立ちました。
雪が降り、気まぐれな風が舞う悪条件の中、何が起こるかわからないジャンプ競技。
残るは1本目上位3人ですが予断を許さない状況だったと思います。
次に飛ぶ1本目3位の高梨選手。
2本目を飛んだ時点で首位に立つとメダル確定です。
1本目4位のアバクモワとは6点ほどの差がありましたが、少しでも失敗するとトップに立てないこともあり得る状況の中、やりましたね~!
この極限状況のなか、今シーズン一番と言って良い納得のジャンプ。
テレマークも入り、距離は103.5メートル。
飛型も美しく飛んでいる時間も長く感じました。
美しいジャンプ。
飛び終えた後のガッツポーズや笑顔が全てを出し切ったことを物語っていました。
アバクモワの上を行き、表彰台確定のトップに立ち、他の日本選手達と喜びを分かち合ったシーンは月並みな表現ですが感動しました。
残る二人も風の条件によりゲートを下げて間が空きましたが、集中力を切らさずに大ジャンプをしてくるところはもうアッパレとしか言えません。
終わって見れば今年のWカップ総合順位そのままの金銀銅。
4年前日本選手勢の中で最も金メダルに近いと言われた高梨選手。
風の条件が悪く、まさかの4位。
呆然としてインタビューに答えていた姿を思い出します。
その屈辱を糧にこの4年間の努力は、私のような者が語る資格はありませんが、それはもう大変なことだったと想像します。
心ないバッシングもあったりしましたが、最後に結果を出してくれました。
4年間の努力に対するご褒美はとても価値ある銅メダル。
こんなにさわやかで清々しく嬉しい銅メダルはそうありません。
3位の表彰台に飛び乗った高梨選手の心からの笑顔を見た時に、全くの赤の他人の私ですが、めちゃくちゃ嬉しい気分にさせていただきました。
いやあ~スポーツってほんとにいいもんですね。