影無茶のスポーツ24/7

ルール知らなくても面白く読んでいただけることを目指します

平昌オリンピック雑感 その11 女子フィギュアはピンポイントでオリンピックにタイミングの合ったザギトワが金メダル

ソチでは当時16歳のソトニコワが優勝。

4年後の平昌は15歳のザギトワが金メダル。

低年齢化が止まらない印象ですが、それにしてもザギトワがシニアデビューの今シーズン中にここまで得点を取れるようになるとは正直思いませんでした。

もちろんザギトワが持つ高い資質は一目見て理解はしていました。

今シーズン、ロンバルディア杯で初めて彼女の演技を見た時の衝撃は忘れられません。

代表は間違いないと思いつつ、それでも金はメドベージェワと考えていました。

しかし、ザギトワは金メダルを取る運命だったかのように、成長曲線がぴったりオリンピックにシンクロしたのです。

メドベージェワとの点差はわずか1.31。

ザギトワは最初の連続ジャンプが単独になってしまったのに、後のルッツを連続にして加点がもらえるジャンプでカバーしました。

金メダルのかかったフリーで、しかも最初のジャンプが予定通り跳べなかった状況下で、それを帳消しにする精神力はとても15歳とは思えません。

メドベージェワも女王のプライドを見せてくれました。

今シーズン後半、不安定だったルッツもフリーで認定され、加点もつきました。

大切なオリンピックシーズン途中でフリーを変更するという驚きの作戦に出ましたが、最後の最後に自分の物にすることが出来たと思わせる演技でした。

ザギトワはジャンプを基礎点が1.1倍になる後半に全てを持ってくる構成でしたが、その差が結局金と銀を分けました。

ザギトワの構成について、点取り虫との批判があるようですが、いくら点取り虫であっても、疲労度が増し、失敗したら元も子もない中、それをやり切ったザギトワを褒めるべきで、非難するのは的外れです。

とは言うものの個人的にはメドベージェワに金メダルを取らせてやりたかったです。

シーズン最初のフリーの演技の方が良かったと私は今でも思っているのですが、こればかりはコーチも交えて変更を決めた訳ですからそれこそタラレバを言っても仕方がありません。

最近のロシア勢は、トゥクタミシェワ、ラディオノワ、ソトニコワリプニツカヤ、ポゴリラヤ、メドベージェワ、ザギトワと次から次へと若い選手が登場し、高いレベルで活躍しますが、ほとんどの選手が最初見せた輝きを複数年持続出来ません。

15歳16歳で完成してしまって、身体の成長に伴い跳べなくなる。

もしくはプレッシャーに潰されてしまう。

そんな中、メドベージェワはここまで少なくとも3年間トップに居続けていました。

そんな彼女に金メダルを取らせてあげたかったです。

ザギトワも来年以降はどうなるかわかりません。

先に掲げたロシア選手がたどった道を見ていると、跳べなくなる可能性も十分あり得ます。

それに比べると日本選手は息が長いです。

荒川、村主、中野、浅田、鈴木、安藤・・・。

そして宮原にしても全日本4連覇。

惜しくも今回表彰台には届きませんでしたが、最高の演技を見せてくれました。

オリンピックの大舞台で自己ベストを叩き出す。

メダルを取らせてあげたかったですね。

試合後のテレビインタビューでの宮原の表情を見ていると、自己ベストを出した満足感はあるものの表彰台に届かなかった悔しさが見えました。

う~ん残念。

今回フリー上位10選手は、エッジ違反、アンダーローテーションは多少見受けられるものの、ミスらしいミスはなく、ハイレベルな争いが繰り広げられ、これでこそオリンピックという印象でした。

日本勢も坂本も含めて力を出し切りました。

本人たちはもちろん、後に続く選手も含めて4年後の北京につなげることは十分出来ました。

三原、樋口、本田、本郷、紀平、白岩。

前途洋々です。

平昌オリンピックも残すところあと2日。

まもなく祭りの後の寂しさがやってきます・・・。