このタイトルに反発される方もおられるでしょうね。
「もう、十分に根付いている」・・・と。
しかし・・・。
長野から6回連続出場のカーリング女子日本代表が念願のメダルを手にしました。
絶体絶命の場面で相手スキップが痛恨のミスショット。
テレビ画面には上から映し出すハウス内で、ストーンが複雑に跳ね返り、日本の黄色のストーンがそろりそろりと中心付近に止まった瞬間を映し出しました。
コンマ何秒かの間がありました。
時が止まりました。
そして訪れる歓喜。
日本銅メダル決定の瞬間でした。
相手チームのスキップの気持ちを思うと胸が痛みますが、これも試合。
これがオリンピックです。
あの本橋マリリンが結成したチーム。
素晴らしい結果を引き寄せることが出来て本当に良かったです。
その本橋にNHKの刈谷アナがマリリンと名付けたトリノオリンピック。
カーリングはこの時期一度大きなムーブメントを起こしました。
連日テレビ中継がなされ、ルールの詳しい解説もあり、多くの人はここで氷上のチェスと言われる面白さを初めて知ったのではないでしょうか。
試合中の選手同士の会話が全てテレビを通じて聞こえてくる面白さ。
ストーンを投じるときの選手達の鋭くも澄んだ眼差し。
そういったギャップも含め試合そのものの面白さを感じつつも、どちらかというと選手たちの魅力がブームの要因だったと思います。
ところが、咽喉元過ぎれば・・・。
今回平昌で聞こえてくる声。
「カーリングがこんなに面白い競技とは知らなかった」「これでカーリングの裾野が広がる」「試合中の選手の音声が聞こえてきて身近に感じる」というようなコメントが聞こえてきます。
ん、ちょっと待てよ・・・と。
歴史は繰り返す。
この感想はトリノの時と何ら変わっていません。
さらに今回も、カーリングそのものよりも、カーリング娘たちへの注目が高いですね。
休憩タイムに食べるお菓子や、「そだね~」が注目され、スキップの個人的な資質(美人)が話題になったり。
決して悪いことではありませんが、度を超してはいけません。
何事もほどほどが大切です。
選手の魅力が認知されることは良いことですが、競技そのものが注目されなければ意味がありません。
面白く奥深く高いスキルが必要ですが、見た目はとっつき易く誰でも出来そうに思え、勝敗はハウスの状況を見れば誰もが理解出来る。
問題は・・・ここからは個人的な見解ですが、試合時間が長すぎます。
3時間近くかかりますが、野球と同じくらい試合時間がかかっているわけです。
第1エンドから第10エンド、最初から最後まで観戦するのはなかなか大変です。
競技人口を増やすには、まずは試合を見ている子供たちが興味を持つことが大事です。今の方式でも面白さを感じてカーリングを始める人もいるでしょうが、試合途中で見るのに飽きる人も多いと思われ、面白さを知る前に逸材が逃げてしまう可能性があるかもしれません。
試合を現行の10エンドから5エンドに短縮し、同点ならサドンデスにするとか、1エンドで3人だけしかストーンを投げられないとか、何らかの形で試合短縮を図るべきだと思います。
それが結局見る人を増やし、競技人口の増加につながり、素質を持った若い人がカーリングを始めるようになる。
これまで現行ルールを元に試合を重ねてきた人からは当然反発が出るでしょう。
改革に周りの人の理解は絶対に必要です。
どうなっていくのか楽しみでもあり、苦しさもあり。
今回の盛り上がりが継続され勢いを持続したまま北京オリンピックに臨めれば、日本カーリングは次のステップに登れたことになるのでしょう。
いよいよ17日間にわたって死闘を繰り広げられた平昌オリンピックも終わりました。
大会前には多くの問題を抱え、大会序盤は天候に悩まされ運営の不備もあったりした今回のオリンピック。
しかし日本勢の活躍が目立ち始めてからは、大きく盛り上がりました。
高梨選手の2本目のジャンプは美しかった。
それが銅メダルにつながりました。
羽生の66年ぶりの男子シングル連覇。
小平、パシュート、マススタートでの3個の金メダル。
そのほかスノーボード勢の頑張りや渡部の奮闘。
見ごたえのある大会となりました。
そのあたりのまとめは書ければ書きたいと思います。
それではまた。