アッと驚くニュースが飛び込んできました。
氷上のアーティスト高橋大輔氏が現役復帰を発表。
バンクーバーでは日本人初の表彰台。
続く世界選手権では初の金メダル。
世界一と言われた表現力。
輝かしい実績は永遠に色あせることはありません。
そんな高橋氏の唐突に思える現役復帰宣言でしたが、会見の内容を読むと昨年の全日本の時点で心は決まっていた模様。
フリープログラムも完成し、ジャンプも徐々に戻ってきてるとのことです。
しかし、すでに氏も32歳。
現役選手の中ではかなりの年長。
何故、ここにきて再び競技フィギュアの場に戻る決心をしたのか。
私はこう推察します。
覚えている人も多いでしょう。
ソチオリンピックの熾烈な代表争い。
代表選考会を兼ねた全日本。
羽生、町田、小塚、織田、無良、そして高橋。
日本男子フィギュア史上、最も層が厚かった時代。
代表枠は3人。
怪我との闘いで満身創痍だった高橋。
結果、小塚が3位に入り高橋は5位。
羽生、町田は代表確定的な状況の中、第三の男は小塚?高橋?
当時スポナビ時代に私が投稿した記事を以下に掲げます。
当時の選定基準を読み解くと、第三の男は高橋氏で間違いなかった訳ですが、実際に選ばれると、何故小塚氏ではないのかとの声も多く聞こえてきました。
高橋氏自身、そういった声をかなり気にしていたのではないでしょうか。
足が完全な状態でない中、最善を尽くしてソチ五輪に臨んだと思いますが、演技を終えた時、氏は果たして心から満足出来たか?
心優しき高橋氏は小塚氏の分まで頑張ろうとリンクに立ったと思いますが、必ずしも満足な演技が出来なかったんだと思います。
さらにオリンピック後の世界選手権も故障の影響で欠場。
代表争いから、五輪本番での必ずしも満足いかない演技、リベンジの場であった世界選手権も欠場を余儀なくされ、結局そのまま引退に至ってしまった。
会見でも語っていますが、この時の不完全燃焼の気持ちがず~っと高橋氏の心の奥底で、喉に刺さった小骨のように引っかかっていたのだと思います。
モヤモヤした物が残ったままでは、何をしてもスッキリしなかったでしょう。
その気持ちが平昌五輪の代表選考を兼ねた昨年末の全日本での選手たちの姿をを見て一気に覚醒したとしても不思議ではありません。
ソチから4年。
足の状態は相当改善されていると思います。
しかし、4年のブランクはさすがに大変で、氏が目標とする全日本最終グループへの道は簡単ではありません。
近畿ブロックを勝ち抜き西日本選手権ではおそらく上位6名に入らないと全日本の出場さえ成らなくなってしまいます。
これは結構大変なことです。
氏にとって良いニュースは、来シーズンから採点基準が変わり、トータルパッケージがより重要視されるようになること。
これは高橋氏にとって追い風です。
新採点基準に沿って作られるプログラムは、氏にしか表現できない、観る者を魅了する内容になることは間違いありません。
あとは実戦での勘。
氏の復帰は世界からも注目を浴びるでしょう。
もしかしたらISU承認の大会などから招待状が届くかもしれませんね。
高橋大輔氏の挑戦はどこまで到達するのか。
早く実際に氏の演技を見たい。
今はその思いです。