GPシリーズ6戦が終了しました。
最終戦フランス杯も様々な人間模様が描かれましたね。
フランス杯感想
女子から行きます。
まずは紀平梨花。
何が驚いたと言って最初の3Aが上手く跳べなかったところからの立て直し。
続く3Aを2Aに変えて連続ジャンプにする冷静さ。
これで高い出来栄え点をもらい最初の失敗の影響を最小限に留めました。
普通なら2度目の3Aを絶対成功させる・・・という気負いが出て深みにはまるパターンが考えられますが、彼女はそうではなかった。
その冷静で柔軟な対応力に、ほんとびっくりしました。
筋肉の感じが違ったと独特な言い回しをしていましたが、演技後半に向けてどんどん良くなっていくのを見て、とてつもないスケーターに育つとの確信を持ちました。
ルッツもフリップもエッジ違反をもらわない。
後半にルッツからの3連続を組み込むプログラム。
スピンもステップも問題なくレベルをもらえる。
過去の、どの選手とも違う雰囲気を持っていますね。
3Aばかりがクローズアップされますが、今回のように3A跳べなくても、心理的に大きな影響受けずに他のエレメンツでリカバリー出来ることがはっきりわかりました。
これで3A2本跳んで、ルッツも2本跳んで、加点がもらえる後半にルッツから3連続を入れるとなると、そら恐ろしい点数になります。
現時点でザギトワとの差は、私が常日頃語っている格付けとも思える演技構成点の差だけでしょう。
これはひょっとしてひょっとするかもしれません。
今回紀平選手以外の日本勢、三原も本田も持てる力を出し切りました。
三原を初めて見たのは2年前のスケートアメリカですが、その時に、心と身体、技術のバランスが理想的な選手との印象を持ちました。
あれから2年。
とても魅力的なスケーターになりました。
今回フリー冒頭の3Lz+3Tの連続ジャンプは会心の出来でした。
表情も良くなりましたね。
フリーは2シーズン目のプログラムなので熟練度も益々増して行きます。
ファイナルは逃しましたが、全日本では表彰台を狙えますよ。
その先は世界選手権代表の座。
十分にチャンスはあります。
彼女もまだまだ能力を出し切っていないと思います。
焦らずに今は練習に励んで本当の力を付ける時期。
アメリカに渡った心意気が成果につながるでしょう。
焦らずと言えばメドベージェワ。
おっかなびっくりで演技をしている状態。
心と身体のバランスがとれていません。
彼女の場合は現状を受け入れることが出来るかどうかにかかっています。
オーサーに師事することを自ら願った訳なのでここは我慢のしどころです。
かなりの部分で見直しが成されているのが現状だと思うので、今シーズンは過渡期と思っていましたし、本人もある程度は理解しているはずです。
ところが現実がおそらく思っていたより厳しい結果になってしまった。
そのことが彼女を混乱させているのでしょう。
しかし現状を受け入れれば、来シーズンはニューメドベージェワの姿を見せられる。
間違いありません。
相変わらずジャッジの格付けは高いので。(演技構成点はトップの68.80)
焦る必要はありません。
男子です。
本命ネイサン・チェンがスケートアメリカについで連勝。
予想通りというところですが、触れない訳にいかないのがジェイソン・ブラウン。
彼もまた今年からクリケットの一員となりました。
メドベージェワと同じく志願の仲間入りです。
素晴らしかったですね!
元々ブラウンの世界観はファンを魅了していましたが、そこに精悍さが加わりました。
髪型も変わり、何というかディスイズ超カッコいい~!
ブラウンの場合は早くもクリケット移籍効果が出ていますね。
採点基準の変更はブラウンにとって追い風。
時代は真4回転時代から、総合的エンターテインメント時代に変わったのです。
今シーズンここまでの印象
オリンピック翌シーズンとは思えないほど面白いです。
日本女子勢の頑張りが目に付くからなのかもしれません。
オリンピック代表組をはじめとして、その代表組としのぎを削った選手達。
シニアデビューを果たした選手。
どんどん層が厚くなってきました。
現時点ではロシア勢より質・量ともに日本が上回るように感じます。
男子は羽入、宇野、チェンの3強が盤石すぎる様子。
シーズンはまだこれからですが、ブラウン選手のような個性あふれる選手が盛り上げてくれることを期待したいです。
ファイナルを経て行われる全日本。
女子はかつてない激しい戦いが繰り広げられるでしょう。
今からワクワクどきどきです。