シーズン前半のヤマ場全日本選手権がいよいよ始まります。
世界選手権代表が事実上決定する大切な大切な試合。
全日本王者を目指す熾烈な戦いは、世界選手権より過酷で激しいサバイバルマッチ。
特に今年の女子は史上最大の激戦と思っていました。
GPファイナルが終わる前までは・・・。
女子:紀平1強時代到来か群雄割拠が続くのか
今考えればよくぞ昨シーズンの世界選手権で女子は3枠確保してくれました。
樋口、宮原にスケ連関係者は足を向けて寝られません。
ベテラン(と書くのもはばかられますが)組に対してシニアデビュー組が加わり正に群雄割拠の時代。
私が過去もっとも激戦と位置付けているのが2005年の全日本。
トリノ五輪の最終選考会を兼ねた大会でした。
村主、浅田、荒川、恩田、中野、安藤、澤田、武田等、豪華絢爛。
SPからほとんど誰も失敗しない。
個性あふれる面々が火花を散らした大会でした。
今回はそれに勝るとも劣らない。
宮原和子、紀平梨花、樋口新葉、坂本花織、三原舞依、本田真凛、山下真瑚、白岩優奈、本郷理華、永井優香。
こうして選手の名前を書き綴るだけでわくわくします。
選手へのプレッシャーは想像を絶するばかり。
ところが全日本でトップクラス選手が失敗するのはほとんど記憶にありません。
この過酷な重圧の中で持てる力を出し切る姿が、全日本を感動の大会ならしめる大きな要因だと思います。
大会前、正確にはGPファイナル前までは、誰が優勝しても不思議でない雰囲気が漂っていました。
SPを終わって5~6ポイント差で選手がひしめき合っている状況を想像してました。
ところがGPファイナル後に状況が一変したのです。
こう書けば100人が100人とも紀平の覚醒を想像できる。
それほどまでにセンセーションだった紀平のGPファイナル。
一気に頭一つ抜き出てしまいました。
昨年まではプレッシャーに弱いと評判だった紀平。
今シーズンは全くの別人。
その成長曲線に誰もが驚き、誰もが認めています。
SP冒頭の3Aに成功すればグッと優勝に近づくでしょう。
たとえ失敗しても、他のジャンプをきれいに回りきれいに降りることが出来る。
ステップもスピンも大きな問題がない。
紀平を中心に今大会が回ることは間違いありません。
あとは大混戦。
全く予想が出来ません。
宮原がファイナルのショックを引きずっていないか心配です。
渡部、伊藤みどりの8連覇につぐ5連覇の記録がかかります。
今季好調の三原も表彰台を狙えます。
GPファイナルから上積みがありそうな坂本、スケートカナダが素晴らしかった山下、休み明けながら一発を狙う樋口、復活なるか本田、クラウドファンディング白岩、一つのミスが明暗をわけそうです。
このまま紀平1強時代に突入するのか、他の選手が紀平の進撃を食い止め群雄割拠の時代を継続させられるのか、ターニングポイントと位置付けられる大会となりそうです。
男子:宇野に続くのは誰?
女子に比べて男子は一気に層が薄くなった印象。
羽生不在となれば宇野の独壇場です。
本来、宇野を脅かす存在となるはずの田中、友野がどうもいけません。
故障明けの山本草太にもチャンスがありそうです。
ここで注目は高橋大輔。
今の男子シングルの状況なら表彰台の可能性まで有り得ます。
もう一度全日本を滑ることを目標に復帰した高橋。
状態は少しずつよくなっているようですが、氷上のエンターテイナーの胸中や如何に。
世界選手権代表の座は誰に
世界選手権の代表選考を兼ねる全日本。
優勝争いと共に代表の座を誰が射止めるのか。
こちらも大きな注目です。
女子は最も代表に近いのは紀平。
表彰台に乗れば決定です。
というか、紀平が4位以下になることは考えにくく、表彰台に乗る3人がそのまま代表決定になる可能性が高いと思いますし、結局それに相応しい選手が表彰台を独占する気がします。
問題は男子。
不出場とはいえ羽生の代表は間違いありません。
選ばない方が不思議。
宇野も確実。
あと一人が問題。
結局2位の選手が最後の枠(形式上は羽生が最後の枠)に滑り込む形でしょう。
高橋はミニマムポイントを獲得していません。
高橋が2位になったら・・・。
一部報道では2月にオランダで開催されるチャレンジカップに派遣してミニマムポイントを獲得させるとあるようです。
高橋選手自身がどこまでのモチベーションで戦っているのかが不明ですが、可能性としてはあるわけです。
今回、通常全日本終了後に行われる派遣選手の発表が行われないと聞きました。
こういった事情も考慮し、あえて発表を遅らせたのでは・・・と思えてしまいます。
果たしてどんな結果が待ち受けているのか。
ワクワクドキドキが止まりません。