大相撲11月場所が終わり優勝は貴景勝。
照ノ富士との決定戦を制して13勝2敗。
怪我を乗り越え大関として初めての優勝を飾ったことで初場所は綱取り場所になった。
共に初の休場となってしまった。
期待の力士が怪我をする現象がずっと続いていて今後の大きな課題だ。
決定戦も怪我から立ち直った力士同士の対戦。
本割では照ノ富士の強さが際立ったが、決定戦ではもう余力がなかった。
無理もない。
膝を含め身体はボロボロの状態で地獄を見た男だ。
よくここまで立ち直ってきたものだが、さすがに2番続けては難しかっただろう。
怪我や病気さえしなければ照ノ富士が一番強いと言うことだろう。
貴景勝は新大関の場所で途中休場したが、大関陥落の代償を負ってでも全休したのが功を奏したと思う。
すぐに大関復帰し、5月場所の中止も貴景勝には良い休養になった。
7月場所も勝ち越した翌日から休場。
怪我をした時に無理をしないことが土俵人生に大きなプラスになることを貴景勝は示してくれた。
さて初場所での綱取りだが果たしてどうだろう。
私が以前絞り込んだ横綱候補の力士の一人ではあるが、壁は高い。
何しろ11月場所は全て貴景勝関より番付が下の力士との対戦。
全休の両横綱は当然、正代(最近3連敗)朝乃山(4勝4敗)との対戦もなかった。
来場所は彼ら4力士と対戦しなければならない。
押し相撲は大成しないという格言を思い出してしまう。
しかし貴景勝の相撲っぷりを見ていると押し相撲を極めるのではとの期待も持てる。
初場所で優勝して横綱になった時には、今までにないタイプの横綱が誕生する。
新しい時代を自ら切り開くことが出来るか、大いに期待したい。
貴景勝が一人大関の重圧を乗り越えて優勝を飾ったが、では他の力士はどうだったか。
主な力士について感想を述べたい。
〇大関正代
なぜあんなにバタバタとしてしまうのか。
新大関の重圧は柄でない。
表情ももっとポーカーフェイスでなければだめだ。
王道タイプの相撲をとれるんだから大関らしく、どこからでもかかってこいという気構えを見せて欲しい。
〇大関朝乃山
私一推しの力士だが、7月場所照ノ富士に敗れて勢いが止まってしまった。
さらに9月場所でも大一番で正代に敗れ、ちょっと自信を無くしているのでは。
ついに11月場所では休場となり完全に勢いが止まってしまった。
組んで強い本格派の相撲を取れるのだから、まずは怪我を直して稽古に励み自信を取り戻すこと。
まずは3連敗の照ノ富士に勝つことが肝心だ。
〇小結照ノ富士
その照ノ富士。
初日の相撲っぷりは完全復活・・・というか横綱相撲だった。
怪我さえなければ既に横綱になっていた。
今でも一番強いと思う。
膝の爆弾さえ爆発しなければ大関復帰はすぐそこだ。
〇関脇御嶽海
幕内戦績256勝189敗5休、三役戦績179勝133敗5休。
幕下付け出しで僅か4場所で入幕し幕内30場所の内三役在位21場所。
これで大関になれないのは7不思議だ。
今場所は中盤から6連敗。
私の中での横綱候補の一人
どうなっているんだ御嶽海。
〇小結高安
照ノ富士が目立ってしまうが、高安も怪我から戻ってきた。
10勝、10勝ときて小結で勝越し。
まだ30歳。
もうひと花咲かせましょう!
〇霧馬山
前頭筆頭という難しい位置だったが3勝12敗と壁に跳ね返された。
私期待の力士。
密かにウルフ2世とまで思っている。
しかし上位陣には吹っ飛ばされてしまう。
もう少し体重増加が必要だ。
その時は!
まだまだ見限るのは早い。
〇琴勝峰
私の中での横綱候補。
北の富士さんも絶賛の21歳。
今場所も5枚目という難しい位置で勝越し。
デビュー以来負け越しが一度もない琴勝峰。
188cm144キロの理想的な体格。
押しても組んでも強い。
怪我だけはしないでくれ。
〇遠藤
将来の横綱大関候補として幕内に上がってきた時は大変な人気で、華もあったが彼もまた怪我にないた力士だ。
強行出場で怪我を悪化させたことが今の地位に留まる最大の原因。
本当なら清水川を名乗って最低でも三役、可能性として大関も夢ではなかった。
それでも最近は大負けすることも無くなり、負越しても7勝8敗がほとんどで、幕内上位の力は十分。
怪我さえなければと惜しまれるが、頑張って欲しい力士だ。
〇栃ノ心
本当にどれだけ怪我に泣く力士が多いのか。
初代地獄を見た男が琴風なら、栃ノ心は新・地獄を見た男。
幕下まで落ちてから復帰後の4場所連続優勝の快進撃は凄かった。
その間幕下2場所十両2場所の成績42勝2敗は驚異的だ。
新大関6日目に負った怪我は再び彼から強さを奪ってしまった。
それでも今場所は9番勝った。
まだしばらくは栃ノ心の相撲を見られそうだ。
今回はここまで。
※記事内の数字は相撲レファレンス参照させていただきました。