4団体統一を目指すモンスター井上尚弥。
統一選ではないが今回は避けて通れない試合。
IBF1位マイケル・ダスマリナスとの指名試合だ。
トップコンテンダーとの指名試合がなければチャンピオンは自由に挑戦者を選び、楽な相手ばかりと防衛戦をするかもしれない。
それを避けるためにも各団体は1位選手との防衛戦を義務付ける。
常に強い相手との対戦を望む井上なので指名試合なんてほんとは必要ない。
しかし指名試合を無視し続ければIBFは井上の王者をはく奪する可能性が高く、団体統一を成し遂げるには避けて通れないのだ。
指名試合とは言え、どう考えてもダスマリナスに勝ち目はない。
役者が違いすぎる。
はじめから井上がどのような勝ち方をするかだけが見どころという試合。
結果は井上が幾度も強烈なボディをダスマリナスに叩きこみ3Rレフェリーストップ。
レバーが破裂するのではと心配するほどの強烈な左ボディフック。
井上の強さを改めて世界に見せつける結果となった。
それにしても試合開始直後にはあれだけ元気だったダスマリナスを、僅か3Rでリングをのたうち回る程のダメージを与えるんだから井上の強さは正にモンスターだ。
ダスマリナスは初回からまともに打ち合うのを避けて足を使った。
まともに打ち合えばひとたまりもないのでヒットアンドアウェイを心がけたのだろうが、井上のプレッシャーが凄くすぐに追い込まれていた。
最後はボディを打たれリングに崩れ落ちた。
井上と戦った相手がボディを打たれ、顔が苦痛に歪みたまらずダウンするシーン。
過去幾度も見た光景だ。
それにしても前回のマロニー戦から8カ月も経っていたのは驚いた。
今は正に井上の絶頂期だが、いつまでも続く訳では当然ない。
コロナ禍でカシメロとの試合が流れ、他の選手との絡みも合って思うように試合が出来なかったここ2年。
当面は井上のボクシング人生のピーク期は続くだろうが、元気なうちにビッグマッチを行いたい。
今回の試合前、驚きのニュースが飛び込んできた。
WBOチャンピオンカシメロがリゴンドーの試合をキャンセル。
WBCのベルトを奪取したノニト・ドネアと統一戦を行うというのだ。
これで井上の次戦がドネアとカシメロの勝者と4団体統一戦になる可能性が急浮上。
本当なら4団体統一のためには2試合必要だったのが次戦1試合で決まる訳だ。
これは井上にとって嬉しい出来事。
バンタム統一を成し遂げて20代でスーパーバンタム級への転向の目が出てきた。
いずれにしても次戦は正真正銘の大一番である。
WBAスーパー・IBF王者 井上尚弥 21戦21勝(18KO)
WBC王者 ノニト・ドネア 47戦41勝(27KO)6敗
WBO王者 ジョンリル・カシメロ 34戦30勝(21KO)4敗
IBF1位 マイケル・ダスマリナス 34戦30勝(20KO)3敗1分