競泳男子200Mバタフライ。
不振の連鎖が続く男子水泳陣に救世主が現れた。
本多灯選手。
弱冠19歳の若者が連続表彰台の伝統をつないだ。
競技後のインタビューで彼が語った「誰よりも楽しむつもりで・・・」との言葉。
1996年アトランタオリンピック。
競泳に出場した千葉すず選手の「楽しむ」発言を覚えている人は多いだろう。
当時、水泳関係者のみならず一般人までもがこの発言に対して非難轟轟。
千葉すず選手の言い方や態度に反感を買う要素は確かにあったとは思う。
メダルへの期待は今の比ではなく、選手が受けるプレッシャーも半端ない時代だった。
200Mバタフライで銀メダルに輝いた本多選手のインタビューを聞いて、はからずも当時の騒動を思い出した。
本多選手だけではない。
あらゆる競技であらゆる選手が試合に臨むにあたり「楽しむ」という言葉を使うようになり、今は誰もがこの言葉を自然に受け入れるようになった。
それほど昔のことではないのに、千葉選手の頃の空気とは隔世の感を感じる。
確かにアトランタ五輪の水泳チームには大きな期待が寄せられていた。
しかし思うような成績を残せずメダルはゼロ。
千葉選手の発言が戦犯のように扱われ、SNSがない時代にもかかわらず多くの心無い声があがった。
間違いなくスポーツとは本来楽しむものだ。
日本競泳陣にとってもこの騒動がいろんな意味で反省に繋がったのか、翌シドニー五輪から上昇に転じ、安定した成績を残すようになって現在に至っている。
私も以前の投稿でオリンピックの「世界で一番楽観的なメダル予想」なんて記事を投稿していたことがあるが、今回のコロナ禍でのオリンピック開催を機にメダル予想をやめることにした。
大坂選手が敗戦に際し国民にお詫びしたいと語ったらしい。
大坂選手に限らず、そういったお詫びのコメントを発する選手がけっこう多い。
そんな必要は全くない。
税金を使ってるなんて野暮なことをいう輩がいるようだが、文句を言う相手は他にいくらでも居るだろう。
選手は血のにじむような努力の末に代表の座を得たのだから、あとは自身のご褒美の為に本番で楽しめばよいのだ。
赤の他人の一般人のことなど気にしなくて良い。
選手は当然高い目標を立てて試合に臨むが、自分の持てる力以上のプラスアルファを出すのは結局楽しむという気持ちが大切なんだと思う。
スポーツは楽しむことが一番だ。