仕事以外全部趣味
BSNHKで昨日ウルトラトラセブンの最終話が放映された。
(今日3月7日も同じBSNHKで深夜放映がある。)
ダン隊員がアンヌ隊員に自分はウルトラセブンと正体を明かす有名な回だ。
変身物のウルトラシリーズでセブンが一番好きと言う人は多いだろう。
私も断然セブン推しだ。
セブン推しの大部分はこの最終話でノックダウンを食らった人達だろう。
伏線として意図したかどうかわからないがシリーズ内に幾度か見られたダンとアンヌの淡い恋物語。
それが最終回のあの「僕は人間じゃないんだ!」という告白のシーンで見事に回収される。
その瞬間、人物がシルエットになりシューマンのピアノ協奏曲が流れる中、「ダンはダンに変わりないわ」と返すアンヌ。
そんじょそこらの恋愛ドラマなんか足元にも及ばない名シーンだ。
セブンに変身しようとするダンに「待って!行かないで!」と叫ぶアンヌを突き飛ばし、ウルトラアイを装着し飛び立っていくウルトラセブンことモロボシ・ダン。
それがダンとアンヌの最後の別れとなったのだ
あまりにも切なく悲しいシーンではないか。。
侵略者が連れてきた怪獣との最後の決戦を終え、明けの明星が輝く空に一筋の光となって去っていくウルトラセブン。
それを見守るウルトラ警備隊とV3のクラタ隊員。
ダンは生きていると語るフルハシの言葉を受け、うなづくアンヌのカットを経て、ダンが笑顔で走るシーンで物語は幕を閉じる。
最高!。
今もアンヌ隊員のファンは多い。
特撮物で最も視聴者の記憶に残り続けるヒロインだろう。
演者菱見百合子の小中学生から見て、優しくほのかに恋心を描けるお姉さんという雰囲気も大きいが、何と言ってもダンとの関係性が琴線に触れたからだろう。
ダンを演じた森次浩司がエンゼルスの大谷を彷彿とさせるような爽やかな青年だったことも大きかったと思う。
これがウルトラマンのハヤタ隊員演ずる黒部進だったらちょっと違う(失礼)。
ウルトラセブンには名作が多いが後半には駄作もけっこうあった。
しかしこの最終話は歴史的名作だった。
日本の一番長い日で使われたシーンの流用など、限られた予算の中で懸命になって作られたとわかる。
限界に来ていたダンのミスに辛辣な言葉を発したV3のクラタが最後に「モロボシ許してくれ」と言うあたりもちゃんと抑えている。
最終話の前編でパトロールに出かけるダンの顔色が悪いことを心配して声を掛けたソガに「大丈夫」と返したダンに飴を投げてにっこり微笑むソガ。
この最終エピソードは名シーンが満載だった。
この最終話があったからウルトラセブンは伝説になった。
幾度も再放送されたウルトラセブンだが、今回うん十年ぶりに4Kリマスターでの放映。
まさかこの年になってウルトラセブンロスに陥るとは(笑)夢にも思わなかった。